強くなりすぎた男
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グレイがあるところへと視線を落とす。
「いつまで手、握ってんだ?」
「ウフフフ♪一生です」
「コエーよ!!」
なかなか手を離さないジュビア。彼女の言葉にグレイは恐怖していたが、彼自身手をしっかりと握っていたため、周りからはただのカップルのようにしか見えなかった。
「!!」
リオンとシェリアが破れたのと時を同じくして、睨み合っていた2人の少年の戦いに動きが起きた。
「シェリア!!」
「!!」
遠く離れた場所で自分が憧れ続けた、ずっと前を走り続けてきた少女の敗北を感じ取ったレオン。彼は予想だにしなかった展開に気が動転し、その方角へと顔を向けてしまった。つまり・・・シリルから目を切ってしまった。
(今だ!!)
もちろんその明らかな隙をこの少年が見落とすわけがない。シリルは自分から注意を逸らしたレオンに向かって全速力で接近する。
「!!」
近づいてくる足音でようやく自分が戦いの渦中にいたことを思い出したレオン。彼はすぐにシリルに視線を向け、技を繰り出し迎え打とうとする。
「滅竜奥義改!!」
だが、レオンが技を繰り出すよりも早く・・・
「水中天嵐舞!!」
シリルの奥義が零距離で、レオンの顔面を捉えた。
「っ!!」
ゆっくりと・・・まるでスローモーションかのように倒れていくレオン。彼のその表情は驚きと悔しさでいっぱいだった。
実力的には完全に敵を圧倒し、静寂な駆け引きでも誰の目から見ても優位性を保ち続けていた少年。しかし、たった1つのミスが時に取り返しのつかないものとなることがある。
強くなりすぎたレオン。彼の放った魔法の数々は、要所要所で敵である妖精たちに味方し、味方である蛇姫たちに悪影響をもたらし、最後に自分の元に跳ね返ってきた。
少年のその高すぎる能力が・・・才能が・・・彼を・・・いや、蛇姫の鱗を敗北へと誘ってしまった。
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