強くなりすぎた男
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って敵を見据えている黒髪の男性。2人は共に激しい戦いで傷付いており、息を乱していた。
「さすがにキツくなってきやがった」
「ジュビアも・・・魔力がもう・・・」
長時間の戦いのせいで体力的にも厳しくなってきているグレイとジュビア。彼らの目の前には、銀髪の青年と赤紫髪の少女が同様に、全身ボロボロで構えていた。
「許してくれ、ジュビア」
「そろそろトドメを刺そうよ!!リオン!!」
リオンとシェリアがそう言う。彼らは完全に2人の妖精を追い詰めていた。それなのに、なかなか勝負を決められずにいる。
「女性を痛め付けるのは趣味じゃない。ましてや相手はジュビアだ。ジュビアはお前がケリをつけろ」
「またそんなこと言って!!リオンの方が強いんだから、一気にやっつけちゃえばいいじゃない!!
私の回復魔法で力を戻してあげるから」
少女の口から発せられた思いもよらなかった発言。それを聞いたジュビアとグレイはわずかに焦りの表情を浮かべる。
「回復魔法・・・」
「そうか。そっちにはそんな手があったんだな」
「そう簡単に、手の内を晒すわけにはいかないからな」
天空の滅神魔導士であるシェリア。彼女はウェンディ同様に回復の魔法を使用することができる。ただし、自己回復時には体力を回復することができないため、疲れきった今の彼女よりもリオンに最後を委ねた方が得策だと考えているようだ。
「リオン!!早くトドメを刺しちゃおうってば!!」
「だから!!ジュビアはお前に任せると言っているだろう!!」
「なんであたしなのよ!!」
「いいからやれと言ったらやれ!!」
優勢にも関わらずなかなか決めきれない理由はこれ。リオンは一目惚れしてしまったジュビアを傷付けたくない。だからライバルであるグレイだけを担当し、彼女はシェリアに最後を任せようと考えているのだ。
対してシェリアは体力も限界。さらにはリオンの方が彼女よりも実力も高く、トドメを確実に刺すには彼が適任だと考えているのだ。ただ、自分が想いを寄せている彼が、敵であるジュビアばかりを気遣っていて面白くないという気持ちも多少あるのだろうが。
言い争っているリオンとシェリア。そんな2人を横目で見た後、グレイは座っているジュビアの肩にそっと手を置き、彼女もその手をぎゅっと握る。
「奴等の弱点は、チームワークだ。俺たちなら、もっと力を合わせられる」
「グレイ様」
ジュビアの手をしっかりと握り、ゆっくりと立たせるグレイ。
「全魔力をぶつける!!」
「はい!!」
「あなた方の燃えるような血と汗と涙は、日暈のように美しい」
「滅竜奥義!!」
「恐るるなかれ、若者よ。進めばそ
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