暁 〜小説投稿サイト〜
そのアルカナは
第1部〜4月〜
第1章 覚醒
臨死と高揚
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遣ってくれているようだ。男の方は背は170そこそこといった所だろうか。茶髪の男にしては少し長めの髪の毛に、ジーンズそしてジャケットという至って普通の格好。顔はそこそこイケメンである。羨ましい
そして女の方。今こうして見ると、いや、逆になぜ気づかなかったのだろう。僕と同じ幻夢高校の制服を着ている。セーラー服である。セーラー服と日本刀。アンバランスすぎるだろ……
長い黒髪を後ろで縛ってポニーテールにしている。顔も可愛い。なんだこの美男美女は。ますます謎だ。
かく言う僕はと言うと……身長160という男子にしては絶望的ハンデを抱える少年である。生きてきてこの方イケメンなんて、カッコイイなんて言われた事一度もない残念ボーイである。

そんなこんなで商店街を歩く僕達。影時間とあの人は言った。夢ではないのだこれは。現実離れというどころではない。
商店街はシャッターが降りていて、もちろん人っ子一人、猫っ子一匹いない。こうして見ると夜の街であるが、ただ時々路地に刺さる棺桶を見る度その考えをなかったことにされる。
月は大きく、明るく、夜であることを忘れさせるくらいに光っている



目的地に近づいていたであろうその時。確かに聞こえた


鎖を引きずるような音が


僕の空耳ではなかった様だ。前の二人にも聞こえたようで。しかしさっきとはまるで状況が全然違うかのように焦っていたのがわかる

「やべーな。死神だ。しかもハッキリと。近いぞ。逃げるぞ京子ちゃん。」

「名案だ。さすがの私もあれは勘弁願いたい」

相当やばい相手らしい。僕らは目的地へと足を早めた。


しかし、鎖の音は鳴り止むどころか大きくなっている。
ジャラララと不快な、不安にさせるような音を。



そしてついに

路地は目の前だというのに

「目の前だったのにこれは……まずいな」

ボロボロになった黒のコート、体には鎖を巻いていて、顔は仮面で隠れている。いや、片目だけよく見たら出ているのかも。その両手には、大きな二丁の銃。ミリタリーに疎い僕としては種類までは分からない。でもあれは
多分
さっきの気持ち悪いやつと同じなんだと本能的に思った。

「仕方ない。私が注意を引き付ける。相沢、対象を事務所へ」

「流石に京子ちゃんだけでもあれ一人はキツイだろ」

「注意を引くだけだ。すぐに離脱する。いけ!」

女の人が動き出すと同時に、僕は男の方に手を惹かれ半ば引きずられるように走っていた。
その足はすぐ止まるのだが

「こいっ、ペルソ一ー」

ダァン

と銃声。僕と男は同時に振り返る。そこには腕を抑え膝をつく女の姿

「京子ちゃん!」

「止まるな馬鹿たれが!対象を早く!」

この状況はなんだ。そんなに、ピン
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