暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
平穏な日々
長い長い休息を
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、聖騎士様」
 「君に攻略組からの一時離脱を勧告する。 以降、私が許可を出すまで75層に立ち入ることを禁じ、又、攻略組と故意に接触することを禁じる。 尚、この裁定に不服がある場合はこの場で申し出るように」
 「不服はありません」
 「ふむ、ではその旨を攻略組に通達しておこう」

 格式張った口上を一瞬でやめたヒースクリフは、そこで薄く微笑した。

 「しかし、この処分はすぐに解かれることになるだろう」
 「だろうね。 まあ、その日が来ないことを祈ってるよ」

 そう言って僕とヒースクリフは顔を見合わせて笑うのだった。



































 きっかけはデュエルの時だった。
 クラディールの様子が普通ではなかったことが気になり、僕は僕で独自に情報を収集していた。
 明確な証拠はなかったけど、とにかく嫌な予感がしたのだ。 あの時のクラディールの目と声には、殺人に快楽を見出している者特有の狂気があったから。 まるでそう、ラフコフのような。

 色々と調べている最中にキリトとヒースクリフのデュエルが決定し、その時点で既にクラディールをマークしていた僕はアルゴさんに連絡してクラディールの動向を探ってもらった。 本来であれば、主義によってその依頼内容すらも商品にし兼ねないアルゴさんだけど、今回の依頼はことがことだけにさすがのアルゴさんも黙って頷いてくれたし、そもそもの話しをするとアルゴさんはどんなプレイヤーにも情報は売るけど、犯罪者に情報は売らないことにしているのだ。

 で、そんなこんなで今日。
 遂にクラディールとラフコフの接触の決定的な証拠(具体的には密会の現場を納めた記録結晶)をアルゴさんとは別の情報屋から買い取って、それをヒースクリフに渡そうと思っていたところでアルゴさんから、キリトの訓練に関する情報がメッセージで送られてきた。

 後はもう、2人も知っての通りなので特に説明するでもなく、僕は長いため息を吐いた。

 「ごめんね、キリト」
 「何がだ?」
 「クラディールがキリトを狙った理由は、間違いなく僕への報復だから。 僕があの時、もっとうまく場を納めていればこんなことにはならなかった。 僕がいなければこんなことには……」

 そう。 クラディールがラフコフと接触していたことは僕の責任ではないけど、キリトを標的にしたのは僕の責任だ。
 僕があの時、あの転移門広場でのデュエル騒ぎの時、もっと穏便に処理していればこんなことにはならなかっただろう。 キリトが死の危険に晒されることなく、アスナさんが激昂することもなく、KoBフォワード隊の責任者であるゴドフリーさんももう1人の団員さんも死なずに済
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