アインクラッド編
平穏な日々
長い長い休息を
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ではないので、まあ当然だ。
僕自身は大体の処分を受けるつもりだし(捕縛とかは勘弁だけど)、むしろ今回の処分を甘いとさえ思っている。
「攻略組からの一時離脱勧告。 処分としては随分と軽いものだと思うが?」
「ですから、処分を下すことそのものに納得がいかないと言っているんです! 度合いの問題ではありません!」
「ふむ……」
凄まじい剣幕でにじり寄るアスナさんを持て余したのか、ヒースクリフが僕に視線を投げてきた。
読み取りたくはなかったけど、『君がなんとかし給え』と視線で訴えられている。 ヒースクリフの頼みとなると無条件で断りたくなるところではあるものの、今回に限って言えば仕方がないだろう。 僕は興奮するアスナさんの肩を叩いた。
「なんですかにゅっ!」
勢い良く振り向いたアスナさんの頬に僕の指がめり込む。
狙ってやったことではあるけど、ここまで盛大に引っ掛かってくれるとは思わなかったので、僕は驚いた。 ちなみにキリトが噴き出す声が聞こえてきたりもしているけど、まずは肩を震わせて大爆発寸前のアスナさんを止めることが先決だ。
「アスナさん。 少し落ち着いてよ」
「……ですが」
「気持ちは嬉しいんだけど、僕はヒースクリフの言い分に賛成だよ。 約束を破ったんだから処分を受けて然るべきだし、処分を受けないとうるさい連中もいるからね。 そうでしょ?」
「うむ、さすがはフォラス君だ。 今回の件をいい機と見て、フォラス君を捕縛すべしと主張するプレイヤーが出ることは想像に難くない。 先に私が処分を下してしまえばそのプレイヤーは黙らざるを得ないだろう」
「何しろ相手は聖騎士様だからね。 真っ向から食ってかかれるプレイヤーなんてそうはいないよ。 たとえいたとしても、既に処分を下していればそれを盾に相手の主張を突っぱねられるって算段でしょ?」
「その通りだ。 君は攻略組にとっても貴重な戦力。 そんな君を牢獄送りにしてしまえばその損失は計り知れない。 加えて、君を牢獄送りにした場合、彼女が暴走する未来が目に見えている」
アマリのことだ。
確かに、僕が牢獄送りになんてされようものなら、あのゆるふわ戦闘狂はそれを言い出したプレイヤーを襲撃し兼ねない。 そしてそうなった時、止められるプレイヤーは極少数だけだ。
現時点ではヒースクリフ。 それから僕。 キリトとアスナさんだったらあるいは止められるかもしれないけど、他のプレイヤーにはまず不可能だろう。
そこまで説明されてようやく納得してくれたらしく、アスナさんは怒らせていた肩を下げ、勢い良くヒースクリフに頭を下げた。
「申し訳ありませんでした」
「いや、私は気にしていない。 ……さて、そう言うわけでフォラス君」
「なんでしょうか
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