十七話:至誠通天
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いて行く。
切嗣もすぐに逃げるように言われるが、流れに乗るフリをしてカメラに映らない隅に隠れる。
半分程の人間が外に出たのを見計らい、デバイスを操作して最後の仕上げを行う。
次の瞬間に利用客の耳に響いてきたのは爆発音。
それを聞いた彼らは若干パニック状態になり我先にと出口へ向かっていく。
もっとも、切嗣が爆発させたのは予め人が居ないことを確認した狭い範囲だ。
火の手が回るまでに利用客全員が逃げ出すのは難しくない。
しかしながら、音だけでも利用客を焦らせるには十分過ぎる効果がある。
この作戦で切嗣はできるだけ被害を出さないためにこのようなことを行っているのだ。
(こんなものか。後は上の連中の腹芸の見せ所だな)
切嗣の仕事はこれで終わり。
後は駆けつけてくるこちらの息のかかった地上部隊が鎮火するだろう。
そして、調査に入り防災システムに欠陥があったといちゃもんをつける。
次にマスコミにこのことを報道すると脅しをかけ、同時に管理局への資金提供をすればこのことはなかったことにすると譲歩を示す。
まず、間違いなく反抗されるだろうが、そこは交渉役の腕の見せ所である。
恐らくは多少強引でも利益を奪い取って来るだろう。
最も、それでも頷かない場合は裏取引を行っていた証拠を突き付けてやるだけだ。
そして、同じように資金提供を条件にマスコミへの報道、及び逮捕を免除してやる。
ここまでやれば、どれだけ頑固な相手であろうと折れるはずだ。
どちらも利益が生まれるのだからと妥協する。だが、そんな甘い終わり方などにはさせない。
会社の上層部には密売者や犯罪組織の情報を吐かせる。
吐かないのならば切嗣が始末する。一人殺せば吐かざるを得なくなるだろう。
そして、彼らに逃げ道はない。彼らは正義を敵に回してしまったのだから。
さらに、一度取引先の情報を明かしてしまえば当然そちらからも報復を受ける。
そうなれば、彼らは曲がりなりにも正義であるこちらに縋るしかない。
そこへ、更なる資金提供や情報提供を促す。従わねばどうなるかは目に見えている。
だから、彼らは己の命と家族の命惜しさの為に一生従わねばならない。
どこをどう見てもこちらが悪にしか見えない手法だが暴走した正義は止まらない。
因みにだが、吐かせた情報はレジアスに渡される。
そうすれば、後は勝手に陸の名誉を上げる為に犯罪組織の検挙を行ってくれるだから。
それに交渉役に自ら買って出れば陸の資金を獲得することも可能だろう。
もっとも、ミッドチルダの為に使われる資金はほぼないだろうが。
切嗣も最高評議会も結局は海に回してより数の多い人間を守るのが行動指針なのだから。
(さて
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