第八話
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飛ばす。そして小室は平野に言われた通りに撃つ。すると、今度は沢山の<奴ら>を倒すことに成功する。
「撃った後は、トリガーを絞ってスライドを引け!そして照準を少し修正しろ」
俺も一応は指示を出す。小室は次々とM590で<奴ら>を薙ぎ払っていく。派手に何体も吹き飛んでいく<奴ら>をみて、小室のテンションが高くなった。
「ひょおっ最高!」
「テンションが高くなってるとこ悪いが、そいつはもう弾切れだ。俺と平野でカバーするから後ろで再装填しろ!」
俺のTAR21の5・56mmNATO弾と平野のFN FALの7・62mmNATO弾が火を噴く。あまり無駄弾を撃ちたくないのでセミオートで撃っている。
次々と<奴ら>を倒していく。こんな危機的な状況なのに、俺はどこかで楽しんでいる。自分の命が危険だと理解しているのに、何で楽しんでいるんだ……。
ああ、わかったよ。俺はふんべつなく暴れてくたばったプレイヤーを馬鹿にしていたが、これは楽しいよな。プレイヤーの連中が暴れた理由も理解できるよ。楽しくて仕方なかっただろうよ。この快感が……。
デスバレットのステータスや武器やシステムを受け継いで、高い能力を受け取り、その力を試したくて仕方なかったんだろうな。平時なら邪魔でしかないこの能力も、戦場では遠慮なく使える歓喜に酔いしれて戦ったんだろうな。
ああ……認めてやるよ。俺も根っからの頭のネジが外れたバカだって。俺は世界が崩壊して生き残るためだけに行動しているじゃない。この絶望して崩壊した世界で、好きなだけ暴れても誰も拘束しない世界を楽しんでいるだと!
「と、弾切れか」
あまりに楽しくて夢中で撃っていたからな。弾数を数えるの忘れてたわ。
「毒島!」
「心得た!」
再装填の間に襲われてはたまらないので、毒島にカバーしてもらった。てか相変わらず近接戦闘は鬼の様にスゲ−よな。木刀で<奴ら>の頭を一撃で粉砕しているし。死角からも事前に察知して撲殺して、投げナイフも器用になげて<奴ら>の頭にピンポイントに命中させる。
と、こっちも見とれてないで再装填しなくちゃ。マガジンのセットが終了して俺は射撃を再開。そしてしばらくして俺達四人で<奴ら>の相手をしていたが、近場にいた<奴ら>は、ほぼ全滅した。
「そろそろ退却したほうがいいと思うぜリーダー」
「ど、どうやって逃げるんですか!?前はまだ<奴ら>がいますし、麗を見捨てるなんて僕にはできません!」
「確かにワイヤーが張られているが、逃げ出せそうな隙間くらいあるだろうが」
「そ、そういえば!?」
どうやら戦い集中して頭があんまり回ってなかったようだな。人を引き付ける魅力はあるが、リーダーとしての能力はまだまだ発展途上という事かな。
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