第18話隻竜VS氷竜
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ット。
その二人は今ーーー
「痛〜・・・上手くいって良かった〜〜。流石に死ぬかと思ったぜ」
「あんたすごいわね・・・。咄嗟に盾を出して作用反作用の容量で落下ダメージを減らすなんて」
作用反作用ーーー分かりやすく言えば、平らな床の上でタイヤ付きの椅子に座り重たいものを前に放り込み、椅子は後ろに下がる。ロケットシャトルのエンジンの原理もそれと同じである。それを彼ーーーライリュウは盾を空中で踏み込み、蹴ることで落下ダメージを抑えたのである。
「《ポーション》飲んどくか。それにしても・・・ほほらんら?ほろら」
「《ポーション》くわえたまんま喋んないでよ。・・・ここはあのドラゴンの巣よ」
「!?ゲフンゲフゴホッカホッ!・・・マジで?」
彼らが落ちたのは先程まで戦ったドラゴンの住みかである。それを聞いたライリュウは口に含んでいた回復アイテム《ポーション》をむせてしまう。彼の再確認の声に対し首を縦に振る。
「ついでに言うと、あたしが言ってた鉱石を手に入れたのもここよ」
「は!?だったらここが《結晶無効エリア》!?・・・だったら《転移結晶》は使えないな」
そうーーーここは結晶アイテムが使用不可能になる空間。つまり《転移結晶》で自分の家に帰ることも出来ない。
そこでライリュウが考えたのはーーー
「・・・壁走って登るか」
「他にもいたわね・・・そんなこと考える奴」
一言で表すならばーーー無謀。その無謀な策を思い付いた少年は、「いや、やっぱ無理か」と考えを改める。ーーーその時、隣にいる少女、リズベットの発言に疑問を覚える。
「そういやリズさん。さっき言ってた「二回目」ってどーゆー意味?それに壁登るかって言ったときの「他にもいた」って・・・」
「あ〜・・・あれね」
ライリュウの質問にバツの悪そうな顔を浮かべるリズベット。その答えはーーー
「ここ・・・キリトとも来たのよ」
「あ〜、なるほど〜。それで・・・何だこの変なシンパシー・・・気色悪ッ」
《黒の剣士》キリトーーー彼は依然リズベットと共に鉱石を求めここへ落ちた。そこでキリトが行った脱出法が「壁を登り走る」。結果はーーー大失敗。彼と同じことをしようとした少年、ライリュウはおかしなシンパシーを感じ全身に鳥肌を作る。
「まっ、帰りは朝ここに帰って来るあのドラゴンに乗って帰りましょ。じゃあさっそく鉱石探しましょ」
「随分余裕だな・・・」
思いの外余裕なリズベットに呆れるライリュウ。そして、いずれ帰って来る夜行性のこの巣穴の主に乗り帰還する、自分のその考えを先にキリトが先に実行していたということを知った瞬間、彼の全身の毛穴はさらに逆立ったのは言うまでもなかったーー
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