プロローグB
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朝ごはんを食べ終えた俺が外に出ると、良く似た二人の少女が同時に振り返る。
「もう、遅いわね!町に持っていく荷物全部乗せてしまったじゃない!」
「とか言いながらフォルナに任せっぱなしじゃ駄目だよね、って言って必死に動いてたじゃん」
「そ、そんなこと言ってないわよ!!変なこと言わないで!」
「はいはい、分かりましたよお姉様」
「もう!」
顔を赤く染めそっぽを向いてしまうフェニモールと、クスクス笑いながらそれを眺めるテューラを見て俺は近づく。
「流石双子の姉妹だな。息ぴったりで感心するよ」
「でしょー?お姉ちゃんいじめるの楽しくて!」
「あー分かる。反応良いしな」
「そうそう!凄く可愛いよね」
「二人ともいい加減にして!!」
俺がテューラと手を組んでフェニモールをからかうと、フェニモールが顔を真っ赤にしながら睨んでくる。
「ほら、早く行ってこないと帰ってくるの遅くなるわよ!」
「おっと、それを言われると耳が痛いな。じゃあ行くか」
「うん!!」
テューラに手を差し出し荷馬車にエスコートする。
テューラを乗せて振り返るとフェニモールがソワソワしている。
「ん?どうした?行ってきますのキスでもしてほしいのか?」
「な、何言ってるのよ!このバカ!!」
「えぇー、いいなー。私にしてよ、お兄ちゃん?」
「テューラまで何言ってるのよ!そういうことじゃなくて!」
顔を真っ赤にしながら怒るフェニモールといたずら笑顔で満載のテューラを眺めつつ。
「ってか今回はフェニモールが留守番だろ?去年は一緒に行ったと思うが…」
この双子姉妹の誕生日の時は、この付近での中心街に行ってプレゼントを買うことになっている。
確かテューラの発案だったと思うが、俺と一緒に行くのは1人にしてサプライズ的な物を贈り合いたいって感じだったかな?
俺的にも護衛対象が1人だと何かあったとしても対処できるし、街に行く間話し相手がいると気が紛れるので助かってはいる。
「それはそうなんだけど…」
真っ赤にしていた顔から少しずつ物憂げな表情に変わっていく。
「欲しいものでもあるのか?」
「ううん。フォルナとテューラが選んできてくれるのが一番嬉しいから欲しいものとかはないんだけど…その…」
歯切れが悪そうに徐々に俯く。
フェニモールがこんな感じになるのは凄く珍しい。
「遠慮せず何でも言えよ?」
「…その、ちょっと胸騒ぎがするというか…何か嫌な感じがするの」
「嫌な感じ?」
「うん…」
テューラもフェニモールの心配そうな不安そうな表情を見て茶化すことも出来ず、むしろテューラにも同じような表情が移る。
「心配することないよ。これまで何年間街まで行ってると思うんだ?余程のことがない限り大丈夫
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