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そのアルカナは
第1部〜4月〜
第1章 覚醒
影、そして
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ぇよ……」

自分でも完全にパニックだった。それくらいあの影は僕の心を不安にさせた。
そもそもこうして逃げて隠れているけど逃げ切れたのだろうか。夢から覚めるまであの恐怖と戦わなければならないなんて、なんて悪夢なんだろう。

混乱した頭を無理矢理にでも落ち着かせながら、立ち上がる。


ぞくり

と嫌なものを感じた。気配。振り返るな。駆け出せ。見るな。
しかし
僕の体は無意識に後ろへと振り返ることを選択してしまった。
奴がいた。
あの影が

「助けて……」

近づいてくる影にどうすることも出来ない。ヘビに睨まれたカエルというのはこういう事なのだろうか。足がすくんで動けない。さっきは咄嗟だったが、今度はそうはいかない。
ゆっくりと影は近づいてくる。その何本もの腕を動かしながら。

「助けて……!」

誰にすがっているのだろう。僕自身の夢なのに。


「誰か助けてくれぇぇぇぇ!」

「承った」

声が聞こえた。あの女の子の声とは違う。誰かほかの人の声。

あの影の後ろには
二人の
人がいた
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