暁 〜小説投稿サイト〜
アギトが蹴るアナザー
宮殿を蹴る
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4人がいざ行動を開始しようとしたまさにその時、未だ立ち込める砂埃の中から、人影が揺らめく。やはり賊か。セリューはコロを巨大化し、ランはスティグマを展開させる。スタイリッシュは本人の戦闘能力が皆無なため、人命救助に専念する。帝具を使用できないボルスもスタイリッシュの行動を円滑に行わせるべく、壁役として彼の正面に立ちまわる。そしてようやくその姿を見た時、多少の差こそあれ、全員驚かざる得なかった。
 何故なら。
 先日のセリューと交戦したナイトレイドの一人、【黄金の戦士】がそこにいたからだ。

「お前はこの前の――コロ、捕食!!!!」
 セリューは数日前に自分の存在理由とも言えるである正義執行を邪魔した憎き悪として食い散らかすべくコロを差し向けた。許可が出たコロは巨大化し、人一人を軽く飲み込み、肉塊にするであろう大口を開けて突進する。
(まさか、セリューさんの言う通り本当にナイトレイドだったとは……!)
 ランはまさかそんなはずはないと予想を立てていた為、少し面を喰らう。

 4人と相対する【戦士】は最低限の動きだけで横に回避し、コロの頬に左手で裏拳を放った。カウンターをもろに受けたコロは門に叩きつけられてしまう。セリューは舌打ちしつつ、早く裁きたい気持ちを抑え、冷静に相手の力を分析する。
 いくらまともにしてやられたと言っても、巨大化したコロは見た目相応の重量がある。生半可な筋力では殴り飛ばせないはずだ。
 ――さっきのが自分だったらやばかったな。
 と、セリューは思う。コロは生物型の帝具である。ゆえに核を破壊されない限り、いくらでも体を再生し、傷を直す事が可能だ。
 だが、自分の体はスタイリッシュの人体改造手術を受けているとはいえ、コロほどダメージを無視して戦うことはできない。それに無理をして勝てても、その怪我の分治療の為、前線を離れることになってしまう。自分の手で正義の鉄槌を下すことが生きがいとなっている彼女にとってはそれは避けたい状態であった。

 ランはこの状況で次の対策を考える。ある程度はセリューと同じように、【戦士】の攻撃に注意を払うのだが、それ以上に気になることがあった。先程からボルスが瓦礫を持ち上げ、スタイリッシュが治療を施す。という一連の動作を行っているのだが、それに見向きもしない。
 自身も時折、マスティマの羽で牽制を行ない、負けじと突進を繰り返すコロを援護している。だが【戦士】は自分から攻勢に回ってはおらず、あくまでラン達の攻撃に対する迎撃のみを行っているのだ。

 だがある時【戦士】は何かに気付いたような素振りをし、ラン達がいない別の方向に目線を向ける。興奮状態のセリューを除く3人が、警戒しつつそれを追う。
――なるほど。そういうことか。
 納得がいった。視線の先には我らが隊長エスデスを先頭に残りの
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