真価
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よう叫ぶ。3日目のバトルパートでのシェリアの滅神奥義の時と同じように。
「ヤバイ!!あいつの魔法の放つ位置次第ではここも危険だぞ!!」
「全員伏せろぉ!!」
ユウカとトビーの叫び声に、その声が聞こえた人たち全員が頭を抱え、体勢を低くする。ただ、やはりどうなるのか気になるようで、魔水晶ビジョンに視線が集中していたが。
「これで終わりだ、シリル。楽しかったよ」
そう呟いたレオンの表情は、戦いの最中とは思えないような笑顔だった。
「絶対零度!!」
引いていた左腕を前へと勢い良く突き出す。すると、まるで台風のように渦を巻いた冷気の塊が、一直線に伸びていく。
「や・・・やべぇ!!」
解き放たれた強烈な魔法。それを見たガジルは思わず声を上げる。放ち方しだいではクロッカスにある華灯宮メルクリアスすら破壊してしまいそうな魔法が、1人間に挟んだだけで自分の元へと向かっているのだ。恐怖を感じない方がおかしい。
「あとは・・・自分を信じるだけ!!」
しかし、恐怖を感じる後ろの人物とは対称的に、シリルは一切動じていなかった。今やるべきことは、この魔法をなんとかして、突破口を作ることが大事なのだと、彼はわかっているから。
「ここだ!!」
魔力を帯びた少年の細い腕が、一直線に飛んでくる氷の渦を捉えた。
「はあああああああ!!」
必死に力を集中させ、何かをしようとしているシリル。そして、彼が左手を横に振るうと、
ヒュンッ
レオンの奥義がその方角へと軌道を変化させた。
「は?」
何が起きたのかわからないといった表情のレオン。そんな彼の最強の魔法は、街にセッティングされている魔水晶ビジョンを、
ドガァン
粉砕した。
『『『何ーーーーーっ!!??』』』
これには驚愕するしかない実況席。その理由は至ってシンプルなものだった。
『今大会で導入してる魔水晶ビジョンは、聖十大魔道の魔導士が攻撃しても壊れないほどの強度を誇るように設定されているんですよ!?』
『それをあんなあっさり粉砕するなんて!!カボ』
今まで何があっても破壊されることがなかった魔水晶ビジョンが、わずか一撃の衝撃で粉砕されてしまったからだった。しかし、驚くチャパティとマトー君の間にいるこの老人は、別のことに驚いていた。
『いや・・・それ以上に驚きなのは・・・シリルくんがあの魔法を弾いたことじゃないかね?』
『『あ・・・』』
そう、シリルとガジルに向かっていたレオンの滅神奥義は、少年の腕に当たり、軌道を変えられてしまったのだ。
その少年は滅神奥義を受け止めた左腕を押さえながら、苦痛に顔を歪ませる。
「い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ