真価
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かし今は、ある人物の圧倒的な一撃を受けて全身傷だらけになっており、目が覚めたのに起き上がることもできず、ただ地面に這いつくばっている。
「ソフィア・・・」
ボソリとその少女の名を呟く少年。その少女を見て、ある方法を思い付く。
(これならいけそうだけど・・・)
何か思い付いたようだが、どこか不安気なシリル。彼はもっと確実な方法がないかさらに頭を回転させる。
(俺がグラシアンさんたちみたいにいつでもドラゴンフォースを解放できれば・・・)
同じ第三世代にも関わらず、なぜか自分だけはドラゴンフォースを自らの意志で解放させることが出来ないシリル。それにはちゃんとした理由が存在する。
1つは経験の不足。シリルがバトルをするようになったのは連合軍を組んで六魔将軍を討伐した時が初めてなのである。
さらには7年の凍結封印。スティングやローグ、グラシアンの3人はその7年の間も何度も戦いを繰り広げることで経験を積んできた。しかし、シリルが戦いを経験した回数は二桁に届くか届かないか。わずか1年程度の期間にしてはよく戦っている方だが、それでも明らかに回数が少ない。
2つ目は滅竜魔法の魔水晶。スティングたちは親であるドラゴンから直接もらい、幼い頃からずっと付けていた。しかしシリルはそうじゃない。エドラスの父を通し、カミューニからその魔水晶を与えられた。
つまり付けていた期間が明らかに少ないのだ。さらには目に入れるという特殊な形のものなため、常に発動しているのかと聞かれれば素直に首を縦には振れない。
これらの理由でシリルはまだ、自らの意志でドラゴンフォースを解放できない。それをシリルが知ることは、まだ先のことであるが・・・
(これだけだと足りない・・・もっと効果的で確実な対策は・・・あれ?)
そこまで考えてシリルはあることを思い出す。以前対戦した滅竜魔導士が使っていた、ドラゴンフォースではない強化の魔法。
(あれならいけるんじゃないかな?)
目を閉じ、自分が見てきた4人の魔力の流れを思い出し、自分の体の中で同じような流れを作れるようにイメージをしていく。
「ぐはっ!!」
レオンの高速攻撃に反応できず、脇腹を掠め取られたガジル。一方的な展開。氷の神の猛攻についに耐えきれなくなった鉄竜は、膝をついて地面に倒れる。
『あぁっと!!妖精の尻尾ガジル!!ついに限界か!?』
「ガジル!!」
ドムス・フラウの応援席で、彼の戦う姿を見ていた1人の少女は、なす統べなくやられ、力尽きたガジルを見て涙を浮かべて彼の名前を叫ぶ。
「がはっ・・・くそ・・・」
それでも起き上がろうと四つん這いになるガジル。しか
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