真価
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つも貫くものだった。それなのに・・・
「すごいなぁ。シリルとほとんど変わらないパワーだ」
レオンは平然と、ブレスを受けた位置から一歩も動くことなく立っていた。それも、腕をクロスさせてガードしていただけで、魔法などは一切使っていた様子はなかった。
「マジで化け物みてぇになってんじゃねぇか・・・おい・・・」
この発言にはみんな「お前も人のこと言えねぇよ」と内心思っていたが、それを口に出すものはいない。だって本当にレオンが化け物のように強くなっているのだから。
「ならこいつはどうだ!!」
影へと体を変換し、地面に消えていくガジル。レオンは予想外の出来事だったらしく、辺りをキョロキョロと見回し、見失ったガジルを探していた。
「鉄竜棍!!」
レオンの背後に回り込み、影の中から鉄竜棍を打ち出すガジル。それは本来であれば、レオンの後頭部を捉えられるはずだった。
パシッ
「!?」
しかし、その攻撃はあっさりとレオンに交わされ、あろうことか彼の手に捕まれてしまう。
「レオンの奴・・・戦闘力だけじゃなくて勘まで鋭くなってるの!?」
2人の戦いを見ていた少女のような少年が驚愕しながらそう言う。
鉄の棍をガッチリと掴んだ金髪の少年は、両手でそれを持ち直すと、背負い投げでガジルを影から引きずり出す。
「ごはっ!!」
影から引きずり出されたガジルは背中から地面へと落とされてしまう。背負い投げもかなりの威力で、彼が叩き付けられたその場所は大きく凹んでしまっていた。
「チッ・・・クソが・・・」
体を起こそうと力を入れるガジル。だが、あまりにも衝撃が大きかったようで、なかなか起き上がることが出来ない。それを見下ろしているレオンは余裕の表れなのか、彼が起き上がるのを何もせずに待ち構えている。
「やっぱりタフですね、妖精の尻尾の皆さんは」
「ギヒッ。当たり前だろうが」
ようやく起き上がることができたガジル。しかし、彼はすでに全身ボロボロ。出血量も多いため、かなりふらついている。
「そろそろ本気で来た方がいいですよ。じゃないと俺なんかに負けちゃいますから」
「望むところだ」
過去のトラウマのせいで全く自分の力をわかっていないレオン。自分が圧倒しているのは相手が弱いからでも油断しているからでもない。ただ、彼が強すぎるからなのだ。
「鉄竜棍!!」
腕を鉄に変え、レオンの腹部を狙うガジル。しかし、それすらもあっさりと避けた少年は、魔力を足へと集めて回転蹴りをお見舞いする。
「氷結!!」
「ごはっ!!」
鉄でできた体をあっさりと粉砕し、敵に直接的なダメージを与える。その強烈な蹴りに意識が飛びかけてしまった鉄の竜
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