真価
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
『ガジルです!!どこからともなく現れたガジルが、大ピンチのシリルたんを救いました!!』
「ガジルさん・・・」
目の前に現れた黒髪の青年を見て、どこか安堵した表情を浮かべるシリル。ガジルはそんな彼に構うことなく、金色の髪をした少年の方を向く。
「お前ら長く戦いすぎなんだよ。ちょっと暇過ぎるから、俺が相手してやる」
肩をコキコキと回しながら笑みを浮かべているガジル。彼はシリルに目も向けずに話しかける。
「おめぇはちょっと休んでろ」
「ひ・・・1人じゃ無理ですよ!!」
もはや人が戦えるのか疑問なレベルにまで強くなってしまったレオン。そんな彼に無謀にも1人で挑もうとするガジルにシリルが声を張り上げる。
ガジルはそれに対し、指を3本立ててシリルに見せる。
「3分だ。3分だけ時間を作ってやるぜ」
「さ・・・3分?」
「そうだ。その3分でなんか対策考えろ」
そう言った彼の頬から、何かが地面にポタッと落ちる。それを見てシリルは察した。ガジルも自分ではレオンには勝てないとわかっているのだと。
ただ、彼は比較的傷も少なく、ローグとの戦いも早々に片をつけていたためにある程度魔力も回復している。倒せなくとも、時間を稼ぐことはできる。その間にシリルがレオンを下す作戦を生み出してくれると信じての行動なのだ。
「俺相手に2人がかりとか、買い被りすぎでしょ」
「だろうな」
表面上は余裕綽々なガジル。だが、心の中では相当にビビっている。その証拠に、額から流れ出る汗が止まらない。今までそんな彼の姿を見たことがなかったシリルは唖然としていた。
「鉄竜剣!!」
不安な気持ちを振り払うかの如く、速攻を仕掛けるガジル。レオンはそれを軽く頭をずらしただけで交わしてしまう。そこから、彼はガジルの視界からいなくなる。
「がはっ!!」
いなくなったのと同時に、ガジルが口から血を吐き出す。その彼の背後には、目の前にいたはずのレオンが仁王立ちしていた。だが、そんな彼にも先程までとは違う現象が襲っていた。
「っ!!」
右手を押さえ、表情を歪ませるレオン。彼の手は少しではあるが赤くなっていた。
「モード・鉄影竜!!」
彼がそうなった理由はこれだ。ガジルがローグの影を取り込んだことにより、手に入れた形体。その姿は全身が鉄で覆われており、通常時のガジルよりも防御力が上がっていたからだった。
「鉄影竜の・・・咆哮!!」
怯んでいたレオンに対し、すぐさまブレスを叩き込む。レオンは完全に周囲に対する警戒を怠っており、一瞬のうちにブレスに飲み込まれてしまった。
「ギヒッ。どうだ!!」
自分の技を命中させたことに得意気な態度を取るガジル。彼のブレスは強烈で、周りにポツポツと残っていた建物をいく
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ