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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝 黒の修羅 中編
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ビデオで事足りる。
継承者の責務とは、受け継いだ技術を次の段階へと昇華させることにある。そのまま受け継いで行くだけではどんな技術も時代遅れの骨董品にしかならない。
故に、戦闘術である剣術を受け継ぐための大前提となる条件は最強への飽くなき欲求である。
「???あの頃は子供だったさ、俺もお前も。」
「そうだね。」
クスリと少女が笑う。そんな彼女に湯気が昇る茶が入った湯飲みを渡し、二人して湯飲みに口をつける。
茶の苦みとその中の仄かな甘みを楽しみながら思う。二人とも変われば変わるものだ、関係も心も体も。
「ねぇ……」
「なんだ。」
「………私ね、赤ちゃん欲しいかな。」
「そうか。………え?」
耳まで真っ赤にさせて口にした彼女の言葉。それが耳には入ったが脳が処理する前に条件反射で口から言葉が出た。
茶を一口飲み干す、そのあたりで遅ればせながら脳の処理が追い付いてくると口から普段絶対に口にしないような音が漏れた。
「………日本に帰りたくなったのか?」
「確かに日本には帰りたいよ。でもね、それだけじゃないよ。」
この前線から日本本国へと戻る手段の一つが妊娠することだ。女だけに許された手ではある。それに、今は多くの成人男性が死亡したため子供の出産にも結構な手当てがつく。
「私だけじゃ君を救えない……分かってるよ君のこと、正義の味方になりたいんだよね。
だけど正義の味方には倒すべき悪と、守るべき存在が要る。」
「………守るべきものはもういる。」
そう言って、少女を見やりそしてまた茶をすする。
「うん、ありがと。でも、私も守る側がいい。?????君の願いを満たせてあげられなくてごめん。」
「????俺の願いが碌でもないだけだ。」
飲み干し、空になった湯飲みを机上に置く。俺の根幹に根差した願い、それは満たされてはいけない渇望だ。
そう思いつめたとき、頬に触れる感触があった―――視線を上げると少女が俺の頬へと手を添え、目と鼻の先に顔を近づけていた。
「そんなことないよ、たぶん誰でも持っている願いなんだと思う。だけど忠亮は真面目だから……自分で自分を許せないんだよね。」
「………確かに、そうなんだろうな。」
「でも、赤ちゃんが出来たら私たちで守ってあげないといけない。だから死んじゃだめだよね。」
自分では俺が死ねないと思う理由には足らない、そう思ったからなのだろうか。
それとも純粋に俺の望みが満たされる唯一の現実的な解を示しただけなのだろうか。
「いくら許嫁だからといって其処までする必要はないぞ。」
「………ほんと、君は鈍いね。ううん、違う優しいんだね。
自分が居なくなった後のことをずっと考えてくれる。だけど、私は貴方が…
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