第五章
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「もっと強く訴える、だからだ」
「こっちが勝ちますね」
「小さな事実の指摘は大きな嘘に負けるんだよ」
上司はこのことも嘲笑して言った。
「絶対にな」
「そうですね、ですか」
「事実は嘘で隠せ」
「わかってます、嘘のゴリ押しでいきましょう」
「一つの真実の指摘は千の嘘の吹聴に負けるんだよ」
こうも言った上司だった、鳥越に。
「だからこのまま行くぞ」
「わかってます、進路このままです」
鳥越も言う、やはり嘲笑している顔で。そして実際にだった。
鳥越も番組スタッフも保守系言論人達の指摘やそれを見た視聴者達のこ抗議も無視して彼等の『報道』を続けた。
それがさらに数年続いた、だが今度は。
インターネットが世に普及してだ、鳥越の問題点がその中でも指摘されたのだ。
「あいつ嘘ばかり言ってるぞ」
「毎日不況不況ばり言ってな」
「日本経済の悪いニュースばかり垂れ流してるだろ」
「慰安婦嘘じゃねえか」
「強制連行も虐殺もなかっただろ」
「市民団体って過激派の通称か?」
「野党とかには報道しない権利を発動するんだな」
こうだ、インターネットのサイトや掲示板、そしてブログで次々と問題点が指摘されてだ。その報道姿勢や発言が検証されていった。
その結果だ、鳥越の番組は毎日批判されネットでその批判が拡散された。
「今日も嘘だ!」
「これで五億貰ってるのか!」
「不況と言いながら自分は年収五億か!」
「嘘って儲かるんだな!」
「何が庶民の為だ!」
「御前は庶民じゃないだろ!」
番組への抗議も右肩上がりだった、だが。
ここでだ、ネットで誰かが言った。
「番組に抗議しても効果ないぞ」
「あれっ、そうなのか?」
「番組に直接言ってもか」
「効果ないのか?」
「ひょっとして」
「番組自体に行っても」
「そうだよ、そうしてもな」
その効果はというのだ。
「ネット観てない人とか騙すことが目的だからもう幾ら抗議しても無駄だろ」
「詐欺師は悪事がばれてもシラを切るしな」
「そんなこと番組に言ってもスタンス変えないか」
「そうしても」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「ここはスポンサーに言うんだよ」
「番組のか」
「番組のスポンサーに言わないと駄目か」
「こうした偏向した番組にお金出したら会社としての品性やあり方が問われる」
「このことを世に訴えるってか」
「ああ、そう言ってな」
そしてというのだ。
「スポンサーの方に圧力かけるんだよ」
「そうしたらいいか」
「番組自体に言うんじゃなくて」
「どっちみちそうしても意味がないからか」
「スポンサー自体にか」
「そっちに言うか」
「あと鳥越の事務所所属のタレントが出ている番組にもだよ」
そうした番組のスポ
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