第1章:平穏にさよなら
閑話2「幸せになる資格」
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広く浅く交友関係を持とうと、私は思った。
しばらくして、入学式が終わり、各々の教室に行って自己紹介の時間になる。
「(...あまり、凝った自己紹介じゃなくてもいいよね?)」
無駄に凝った自己紹介だと、この年齢の場合違和感あるし。
「志導優輝です。好きな事は...妹と一緒に何かする事かな?これからよろしくお願いします。」
「っ....!?(え....?)」
思わず、聞こえてきた言葉に振り向いてしまう。
驚愕の声を洩らさなかっただけ凄いと思えるほど、私は驚いた。
「(優輝君....!?)」
運悪く、同じ列の前の方だったので顔は見えなかったけど、どこか既視感を感じた。
「(....他人の空似...だよね?)」
優輝君も転生しているのかと思ってしまったけど、きっと気のせいだと思った。
...といっても、前世での優輝君との付き合いは中学からだから小学生の頃の優輝君はどんなのか知らないんだけどね。
そんな事を考えている内に私の出番になった。
「聖奈司です。好きな事は静かな場所で読書をする事です。...これからよろしくお願いします。」
無難な自己紹介を済まして、私は席に座る。
実際、読書は前世から気に入っている。...と言っても、入院期間で暇な時があったからその時に読んでいただけなんだけど。
「.......。」
座る時にざっと見まわしたけど、なぜか見惚れられてた。
...確かに、以前に自分でも綺麗な容姿だとは思ったけど...。そこまで?
「(....とりあえず、優輝君か確かめてみないと。)」
休み時間になったので、早速遠くからだけど優輝君を見てみる。
...見た目は前世での優輝君の面影があるけど...。
「(...もしかしたら、この世界で生まれ育ったっていうだけかもしれないんだよね...。)」
遠目から見ていても普通に馴染んでる。
きっと、私の知っている優輝君とは違うのだろうと思った。
それに、自己紹介で妹もいたし、前世の環境と違うみたい。
「(もし、前世の優輝君と同じ道を辿るなら....。)」
前世で優輝君は中学の頃、家族を亡くした。
もし、それと同じ道を辿るなら私はそれを阻止したいと思った。
「(...優輝君は不幸な目に遭わせたくない...。)」
でも、私が関わるときっと不幸になってしまう。
だから、私はあまり近づきすぎないように関わっていく事にした。
それからさらに月日は流れて四年生の春。
二年生になって原作の子達が入ってきて私が一つ年上なのに初めて気づいた以外、特になにもなかった。最初の
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