第1章:平穏にさよなら
閑話2「幸せになる資格」
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やり遂げましたよ。〉
「そうですね。プレシアの病気の治療、闇の書のバグの完全末梢。...これだけでも凄いです。」
...確かに、リニスさんの言った通り、ジュエルシードの魔力を逆手に取ってシュラインと共に強く祈る事でプレシアさんを若返らせ、病気を治す事もできたし、同じように強く祈る事で再発するはずだった防衛プログラムを完全に消し去る事もできた。
「...でも、それでも私一人では...。」
〈私はマスターがいないと何もできません。〉
「私も、貴女がいなければここには存在しませんよ?」
二人は暗くなりかけた私を励ましてくれた。
優輝君や緋雪ちゃんにも話していない、私の本当の素顔の片鱗を、二人は知っている。だからこそ、私の気持ちを理解してこうやって励ましてくれる。
「うん...ありがとう。」
ふと、優輝君の事を思い浮かべる。
「(優輝君は転生者なのはこの前知ったけど...やっぱり、似てる....。)」
前世の優輝君に。
そこまで考えてその思考を振り払う。
「(...だったら、優輝君が死んで転生しちゃった事になっちゃう。...私が、巻き込んだから...!)」
私は未だにあの時の事を引きずっている。
あの時、優輝君を巻き込んでしまった事を。
あの時、家族に迷惑を掛けてしまった事を。
あの時、私の...“僕”の病気が治ってしまった事を。
「(優輝君...優輝君...私は、どうすれば...いいの.....?)」
私はまだ二度目の人生でのしっかりとした生き方が分かっていない。
前世の親友が転生してきたとなれば、余計にそれに拍車がかかった。
「(誰も助ける事もできない。不幸にする事しかできない...。)」
そんな私なんか....。
―――あんたなんかに....幸せなる権利なんてないわよ....!
「っ......!」
胸がチクリと痛む。....前世のお母さんの言葉は、今も頭に、心に染みついている。
「(あぁ、やっぱり....。)」
―――私に、幸せになる資格なんてないんだ....。
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