第1章:平穏にさよなら
閑話2「幸せになる資格」
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=司side=
―――幸せになる資格って、なんだろう....。
私は常々そう思う。
私は幸せになっていいのか、どういう人は幸せになる資格がなかったりするのか。
いつもいつも、どこかでそんな事を考えてしまう。
こんな考えを持つようになったのは、いつからだったかな...?
....そうだ。まだ“私”が“僕”だった時だ....。
〜〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜
前世での私...いや、僕は、“祈巫聖司”というごく普通の男子高校生だった。
普通に優しい家庭で、お母さんもお父さんも優しかった。
学校でも普通に馴染んでいて、友人もちゃんといた。
―――高校二年の冬に、病気で倒れるまでは。
その病気は突発性なうえ、相当ひどかったらしく、いつ死んでもおかしくなかったらしい。病院に緊急搬送され、的確な処置で何とか死は免れた...そう言う事らしい。
目が覚めた後も、命の危険は残っていた。
おまけに、治そうと手術をするだけでも相当の費用がかかるらしかった。
「安心しろ聖司。お金くらい、なんとかする。」
お父さんはそう言って安心させようとしてたけど、どう考えても負担がかかると分かっていた。親に相当な負担を掛けていると、僕の心は暗くなっていった。
「大丈夫か?聖司。早く元気になれよ。」
「あ、ありがとう、優輝君...。」
まだまだ命の危険があり、落ち込んでいた僕を励ましに来てくれたのは、親友である志導優輝君だった。
「早く元気になるのよ...。」
「俺たちも頑張るからな。」
「ありがとう、お父さん、お母さん...。」
もちろん、お父さんとお母さんも何度も見舞いに来ていた。
そんな、皆の支えもあって、治る見込みがないと言われても僕は精一杯生きる事ができた。
そうしてきたからか、奇跡的に僕の病気は全治に着実に向かっていった。
―――....そんな、ある日...。
「(....話し声?)」
眠っていた僕は、病室の扉の方から聞こえる声に目を覚ました。
「どういうことよ...!治る見込みがなかったんじゃないの...!?」
「そうだ!このために高い保険に入れたってのに!」
「ぇ....?」
耳を疑った。両親が僕にとって信じられないような話をしていたからだ。
「なんだよあいつ、治る見込みがないとか言われた癖に、治りやがって...!」
「多額の借金をしたのに、ど
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