第四章
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「そうでしょ」
「それでお風呂か」
「お湯にゆっくりと浸かって身体を温めて」
そうしてというのだ。
「身体をほぐしてしかも疲れを取るのよ」
「疲れをか」
「シャワーだけじゃ疲れが取れにくいのよ」
「じゃあ御前もお風呂か」
「そうよ、シャワーよりもね」
優花もだ、お風呂派だというのだ。
「毎日入ってるわよ」
「お風呂か」
「お兄ちゃん烏の行水だからね、そもそもね」
優花は口をやや尖らせてだ、岳にこんなことも言った。
「私達最近までお風呂一緒に入ってたけれど」
「小学生までだろ、誤解される様なこと言うな」
「最近じゃない」
「何年も前だよ」
岳はこのことは強く反論した。
「周りが聞いたら誤解するだろ」
「誤解されないわよ、そもそも従兄妹同士じゃない」
「あのな、従兄妹同士でもな」
「小学校までは一緒にお風呂に入るでしょ」
「言い方次第なんだよ、御前の言い方は危ないんだよ」
誤解される種類のものだというのだ。
「そんなこと言うとな」
「変なところで気にするんだから」
「気にするに決まってるだろ、それで烏だからか」
「そうよ、これからはね」
「お風呂にしてか」
「湯舟にしっかりと入って身体を温めて」
そうしてというのだ。
「疲れを取るのよ、いいわね」
「お風呂もか」
「入るの、あとね」
「まだあるのかよ」
「食べものも。スナックやインスタントラーメンばかりじゃなくて」
そうしたものを主に食べずにというのだ。
「お野菜とか果物。小魚を食べてあと飲みものもね」
「細かいな、飲むものもか」
「お兄ちゃんの好きなコーラとかじゃなくて」
飲むべきものはというと。
「牛乳や野菜ジュース、豆乳とかがいいわね」
「何かな」
「何かって?」
「面白みがないな」
「何言ってるのよ、どれも美味しくて健康的よ」
「野菜がか?」
「西瓜や苺はお野菜よ」
優花が言う野菜はこういったものだった。
「そうでしょ」
「そういうのを食えばいいんだな」
「スナックよりもね。あと水分はまめに摂っておくこと」
「何かスポーツのコーチみたいだな」
「そうかもね。とにかくね」
「体調管理か」
「トレーニングだけじゃなくてね」
準備、整理、柔軟の体操に入浴に食べもののこととあらゆることに気をつけてというのだ。
「それで勝つものよ」
「その話全部聞かないと駄目か」
「当たり前でしょ」
優花は岳に即答で返した。
「わかったわね、じゃあね」
「やれやれだな」
「試合勝ちたいでしょ」
「まあな、けれど御前が言うか」
「何度でも言うわよ」
優花の言葉は厳しい、ここでも。
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