第五章
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「では我等も」
「これより殿と共に行きます」
「何でもお申し付け下さい」
「いざ伏見へ」
「うむ、行こうぞ」
こうしてだった、加藤はその彼等を率いてだった。
伏見城に向かった、しかし。
その中も揺れは続いていた、だが加藤はその揺れなぞものともせずにだ。馬に乗り家臣達を引き連れてだった。
一路伏見城に向かった、そして城に着くと。
城はかなり壊れて崩れていた、その城を見てだ。加藤は顔を強張らせて言った。
「これは危うい」
「はい、ですな」
「このままではです」
「殿下のご無事もわかりませぬ」
「それにこれ以上崩れては」
「殿下、今よりお助けしますぞ」
加藤はこう言ってだ、崩れ開いてしまっている門をだ。
自ら先頭に立ち進んだ、そこにいる兵達に言った。
「加藤虎之助じゃ、殿下はご無事か」
「なっ、加藤様」
「閉門になっていたのでは」
門が崩れてもかろうじて番をしている兵達が加藤の姿を見て驚いた。
「あの、それで来られては」
「殿下のご命令ですぞ」
「後でどの様な処罰を受けるか」
「切腹になりますぞ」
「切腹でも何でも受けるわ」
加藤は彼等にもこう返した。
「だから今はじゃ」
「殿下ですか」
「殿下を」
「そうじゃ、お助けに参った」
こう言うのだった。
「早く城の中に通せ、通さねば斬る」
「斬られるのは構いませぬが」
兵達は加藤の言葉を受けてだ、驚愕から確かなものにその顔を変えてそのうえで加藤に対して答えた。
「しかしです」
「しかし?」
「加藤様のお心はわかりました」
こう言うのだった。
「ですから」
「だからか」
「お通り下さい」
その門をというのだ。
「そしてどうか殿下を」
「うむ、お救いする」
「お行き下さい」
こう言ってだ、加藤も家臣達も通したのだった。
加藤は馬を駆り城に入った、そしてだった。
大音声でだ、こう叫んだ。
「殿下どちらに!虎之助が参りました!」
こう叫びだ、必死に秀吉を捜し回った。家臣達も彼と行動を共にして城中を探し回った。
秀吉は何とか難を逃れて傍の者達と共に城の中にいた、そして遠くからだ。
加藤の声を聞いてだ、笑って言った。
「おお、あの声は」
「加藤様ですな」
「あの方ですな」
「そうか、わしの危機に駆け付けてきたか」
笑みを浮かべてだ、秀吉は言うのだった。
「最初に来たのはあ奴か」
「そうですな、しかし」
「今の加藤様はです」
「閉門です」
「殿下に閉門を命じられていましたが」
「そのことは」
「虎之助を通せ」
秀吉は周りの者達に答えずだ、こう告げた。
「よいな」
「は、はい」
「ではこれより」
「ここに加藤様をお呼びします」
周りの者達も答えてだ、そ
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