一、弩躙苦罵亞
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
安らかに休んでください。番長」
「芸術的な最期でしたよ、超一郎‥‥‥‥」
一之瀬が、黒鈴が、李前途が、カヲルが、ランジェロが、それぞれ大銀河を追悼する。もちろん、別に大銀河は死んだわけではない。
次にグラスに手をつけたのは意外にも仮面ライダー禅僧。仮面の口の辺りがパカッと開き、そこに悪魔の飲み物を注ぎ―――。
「うげええええええええええええええええええええええええええええ!」
吐いてぶっ倒れた。
「禅僧!」
「禅僧さん!」
「なんてこった‥‥禅寺で五年も修行した禅僧がやられちまうなんて‥‥」
「日蓮宗‥‥惜しい人を亡くしました‥‥」
再度緊張感に包まれる番長グループ。死んだわけでもないのに葬式ムードになる。ランジェロに至っては宗派を間違えている。
「お、俺もやります‥‥!」
「じ、じゃあわたしも‥‥」
小さく呟いた一之瀬と黒鈴を残りのメンバーが驚嘆の目で見る。
「お、おい―――」
「やめ―――」
二人が止めようとしたがもう遅かった。
一之瀬と黒鈴は大量のゲロを口から吐き、そして気絶した。
「オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
「――――――――――――――――――――――――」
一之瀬に至っては口にした瞬間気絶し、ゲロを垂れ流す装置と化していた。窒息の危険があるため、慌ててランジェロと李前途が背中を叩いたり喉を開かせたりしてゲロを全て吐き出させる。
「ふう、これで窒息の危険はない」
「ああ。一之瀬のやつ、無茶しやがって‥‥」
一息つこうとした二人の耳に少年の吐き声が聞こえてきた。
「おえ、おええええええええええええ! うっぷ、おええええうええええええ!! ご、ぶええええ‥‥」
物凄く辛そうだ。今までで一番悲惨な悲鳴をあげている。LOVE子に介抱されてはいるが、カヲルの意識は無いように思えた。
「か、カヲルまで‥‥」
「小学生なのに‥‥」
残ったのは三人。
次に地獄を見るのは永遠なるLOVE子か。それとも三毛ランジェロか。はたまた李前途か。
誰もが次にゲロを吐くのは唯一余裕の表情をしていたLOVE子だと思うだろう。
しかし―――。
「なあ、三毛」
「わかってますよ。李さん」
ランジェロと李前途は覚悟を決めた。幼女の夜魔口やショタのカヲル、番長の大銀河、一年生の一之瀬、理知的な黒鈴、謎めいた禅僧が勇気を出して挑んだのだ。自分達だけがやらずに終わるなんてあってはならない。
「やりましょう。見ててくださいまなぶさ―――」
三毛は振り向いて転校生パンクロッカーまなぶを見たが、彼はとっくにゲロを吐いてぶっ倒れていた。今も吐き続けている。一体どのタイミングで飲んだのかわからないが、空気だったのは確かだ。
「逝くぞ!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ