一、弩躙苦罵亞
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ば、ゲロを吐いてほしいのである。
そんなことを言われたら男子小学生カヲルは顔面蒼白で死んだ目をするだろうし、経験の浅い一年生の一之瀬が動揺するのは当たり前だろう。
二人ほどではないにしろ、他の面々も顔が引きつったり青くなったりしている。仮面ライダー禅僧は頭を覆う仮面のお陰で表情がわからないが、さっきから何も言えてないので内心は焦ってみるのだろう。
唯一平気そうなのは永遠なるLOVE子だけだ。本人曰く、演劇部の女子高生達と股間にゲロを吐き合って愛し合ったことがあるらしい。
あの大銀河ですら、手に握られたグラスの中のドリンクバー産の飲料型兵器を見て、すごく葛藤していた。
「なあパンクロッカー、本当にこれでお前の能力が十全に活かされて番長グループが何倍も優位になるんだな!?」
「そうだぜ!」
珍しくクソッタレー!を言わない。恐らく彼なりに本当だと伝えたかったのだろう。
「‥‥‥わかった」
「「「夜魔口さん!?」」」
本気で驚愕の表情を浮かべる面々に夜魔口は笑いかけた。
「番長グループの勝利のためだ―――」
そしてグラスを煽る。
直後、夜魔口の表情が大きく崩れ、そのまま顔を下に向けて体の中から競り上がってくる吐瀉物を思いっきりぶちまけた。
「おええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
その小さな体のどこに入っていたのかわからないほどのゲロを吐いて、吐いて、吐く。
やがて最後の一滴を出しきった夜魔口はバタリと倒れ、大銀河がその体を受け止めた。
「夜魔口!? しっかりしろ夜魔口!」
「ち、ちょ‥‥‥い‥‥‥ち、ろ―――」
「気を確かに持て! 今すぐに水を―――」
「あとは、ま‥‥か、せ‥‥‥」
「夜魔口!? 夜魔口ーーーーー!」
字面からは想像もつかない大惨事が引き起こされていた。いくら百戦錬磨の夜魔口といえど、流石に幼女には酷だったのだ。彼女は気を失ってしまっている。
しかし、これを見た大銀河が決意を固めた。夜魔口がこんなになるまでやったのだ。ここで尻込みしていれば男が廃る。
「だ、大銀河さん!?」
今まで死んだ目をして黙っているだけだったカヲルが叫ぶ。大銀河がグラスを手に取ったのだ。
「お前らは、無理するなよ―――」
そして一気に飲み干した。
「オゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」
夜魔口に劣らないほどの量のゲロを吐く大銀河。そして夜魔口と同じように倒れた!
「大銀河さーーん!」
「超一郎‥‥! なんてことを‥‥!」
「超一郎‥‥お前のことは忘れねえぜ‥‥!」
「‥‥せめて夜魔口さんと一緒に、
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