第二章
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「あそこに寝てな」
「休むと気持ちよさそうだな」
「何かな、じゃあな」
「あそこで休むか」
「二人でな」
「休むといっても何もしないが」
「別に寝ててもいいだろ」
登輝は笑って和也に答えた。
「今日は暇だしな」
「それもそうだな、夜まで寝ていてもいい」
「それで夜になったらな」
「起きてな」
「家に帰ればいいな」
「そうしてもいいな」
こう話してだ、そしてだった。
二人は木の下に入ってだ、その枝の木陰の下で。
木の幹にもたれかかって休んだ、そうしてだった。
二人であれこれと学校のことにだ、その他にも色々ととりとめのないことを話した。そうして一時間程過ごしていると。
二人がいる木の下にだ、不意にだった。
猫達が来てだ、それぞれ寝転がってだ。
欠伸をしてから寝だした、登輝はその猫達を見て笑って和也に言った。
「俺達よりもな」
「猫の方がな」
「先に寝たな」
「猫はよく寝るからな」
「大体一日十六時間位寝るらしいな」
「そんなに寝てるのか」
「寝る子だからな」
ここでこうも言った和也だった。
「猫となったらしいしな」
「寝る子から『ね)が抜けてか」
「『ねこ』だ」
「成程な」
「そうも言われている」
「そうか、それでここでもか」
「この木陰が居心地がいいからだろう」
それで、というのだ。
「来てな」
「寝るんだな」
「そうだろうな。僕達も寝るつもりだったが」
「ああ、先にな」
笑ってだ、登輝も応えて言った。
「寝られたな」
「そうだな、しかしな」
「この子達観るのもいいな」
「ああ」
和也は微笑んで登輝に答えた。自分と同じ微笑みになっている彼に。
そうしてその笑顔のまま猫達を見ているとだった、今度は。
上から小鳥達の鳴き声が聞こえてきた、上を見上げると栗鼠もいた。登輝は彼等も見て和也に言ったのだった。
「何かな」
「この木に住んでるな」
「言うなら住人か」
「そうだな」
「その子達もいるんだな」
「気持ち良さそうな鳴き声だな」
小鳥達のそれが、というのだ。
「栗鼠もいて」
「賑やかな木なんだな」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「また来た」
和也は前を見つつ言った。
「お客さんがな」
「ここいいね」
「そうよね」
「じゃあここでね」
「おままごとしよう」
小さな、幼稚園位の女の子達がだった。
木の下に来た、そしてだった。
二人と猫達から少し離れた場所でおままごとをはじめた、その娘達を見てだった。
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