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思春期 
第三章
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「本当に」
「そうよね」
「いや、それこそね」
 こうしたことを話していた、中学二年生の時は。私達はこの時本当に思春期だった、まさに夢見る少女だった。
 昭和の頃の話だ、けれど。
 七年はあっという間だった、気付けば。
 私達はそれぞれ違う高校に入って違う大学に入って違う会社に就職して。三十路を越えて数年経った頃に。
 同窓会になって再会した、するとお互いに言ってしまった。
「太ったわね」
「そうよね」 
 肥満という程でもなかったけれど、それでもだった。
 中学二年の時よりもだった、お互いに幾分だった。
「お腹に脂肪ついてきて」
「お尻にもね」
「もう子供出来てから」
「そうそう、二人も産むとね」
「私なんか三人よ」
「あら、頑張ったのね」
 極めて自然に話していた。
「三人って」
「初産の時が辛くて」
「初産って辛しわよね」
「あの時死ぬかと思ったわよ」
「私もよ」
 こう二人で話す、そして。 
 私からだ、彼女に尋ねた。
「それで最近どうしてるの?」
「子育てしつつスーパーでパートしてるわよ」
「じゃあ私と同じね」
「あんたもスーパーでなの」
「家の近くのスーパーでね」
「それじゃあ一緒ね」
「そうよね」
 二人共このことは同じだった、子供の数は違うけれど。
「スーパーのパートっていいわよね」
「お金はあまり高くないけれどね」
「パートの後で買いもの出来るし」
「特価のこととかわかりやすいし」
「そう、だからいいのよ」
「あんないいパートないわね」
 こう二人で話した、パートのことを。そして今度は彼女から言ってきた。
「けれどね、旦那が最近」
「あっ夜のことね」
「全然相手してくれないわよね」
「その為には痩せろって言ってね」
「あと疲れてるって言って」
「新婚の時とは違って」
「もう全然よね」
 夜の話にもなった、それもあっけらかんとした調子で。
「一緒のお部屋で寝てても」
「何もなし」
「こっちも夜はね」
「たまにその気になるだけで」
「それでも旦那はもっとやる気なくて」
「そんな調子よね」
 あれだけ必死に思ったそのこともだった。
「気付いたらね」
「そんな感じになってるわよね」
「本当にね」
「三十越えて少し経ったら」
「早速黄昏?」
「このままお婆さんになるのかしら」
「何だっていうのかしら」
 それこそだった、本当に。
「いや、十代の夢と現実は違うわね」
「思春期の頃思うこととはね」
「現実はね」
「もうこんな調子よね」
「パートに家に帰ったら子供の世話と家事」
「もう夜は寝るだけ」
 それこそだった。
「旦那とは喧嘩しないけれど」
「夜の営みはもうない」
「その前に痩せないと」
「肥満大敵だか
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