4部分:第四章
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第四章
「絶対にね」
「僕もそう思うけれど今実際に疑われてるんだよ」
「その疑いを晴らす方法もわかってるわ」
雅美の言葉は速い。迅速である。
「私はもうね。全部わかったわ」
「全部なの」
「そう、その倒れた四人だけれど」
その四人についてだった。事件の被害者である彼等だ。
「今入院してるのよね」
「すぐに担ぎ込まれてね。そうなっているよ」
「その四人を調べればすぐにわかるわ」
その彼等をだというのだ。
「それで荒木君の容疑が晴れて事件の真相がわかるから」
「それだけでわかるんだ」
「そうよ。だからすぐに四人が入院している病院に連絡して」
雅美は徹にまた告げた。
「それで事件は解決するから」
「よし、それじゃあ」
こうしてだった。徹はすぐに病院に連絡してそのうえで四人が調べられた。その結果であった。
結論として荒木の容疑は晴れた。すぐにだ。
そしてだ。困ったのはむしろ四人の方だった。
番組が終わってからだ。彼等は周囲から呆れられた。ネットでもかなり書かれた。何故かというとである。
「ああなって当然よ」
「当然なんだ」
「そうよ。四人共ね」
雅美は自宅のリビングでココアを飲んでいる。そのうえで向かい側のソファーに座って同じくココアを飲んでいる徹に述べるのだった。
「今まであれで生きていっているのが不思議よ」
「ううん、どれも急性のだったんだ」
「ええ、ニコチン中毒にアルコール中毒に糖尿病」
まずはこの三つだった。
「そして太り過ぎでね」
「四人共それぞれの病気で倒れてたなんてね」
「あんな生活してたらああなって当然よ」
雅美も呆れたような口調で述べている。その辺りはネットと同じだ。
「一日五箱もすぱすぱ吸うし」
「それにお酒やお肉やお菓子は」
「過ぎたるは及ばざるが如しよ」
まさにそれだという雅美だった。
「不健康にも限りがあるわ」
「それネットでも言われているね」
「そうよ。連続殺人未遂事件ではなくて」
少なくともそれは完全に否定されていた。
「ただの。自業自得よ」
「そうなるね。確かに」
「それで。四人はどうなったの?」
雅美はその倒れた四人のことを尋ねた。
「退院したとは聞いたけれど」
「退院はしたよ」
それはだと答える徹だった。
「けれど。四人共ね」
「煙草やお酒は制限されたのね」
「かなりね。このまま続けたら死ぬってね」
「そうよ。あれじゃあ死ぬわよ」
「四人共ねえ。随分落ち込んでるよ」
そうなっているというのである。
「いや、本当にね」
「そんなに続けたければ命賭けるしかないわね」
「流石にあの四人でもそこまではしないから」
幾ら何でもというのだ。
「まあ。今回は本当にね」
「馬鹿な話だった
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