第40話 夕闇の砂漠
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ュイアの姿に安堵の笑みを浮かべるルインに対してハルピュイアは複雑そうな表情だ。
「何故…俺を助けたんですか…あなたは?」
何故、敵である自分を助けたのか分からないハルピュイアはルインに尋ねた。
「うーん、前に助けてもらって、ネオ・アルカディアの居住区でも見逃してもらったし…エルピスからエックスを守れなかったし……さ。そのお礼とお詫び…かな?これだけじゃ、君に全然返せないだろうけど」
「…………」
ルインの言葉に、ハルピュイアは前のエルピスの反乱を思い出す。
ダークエルフとベビーエルフ達に操られ、狂気に陥ったエルピスによって、オリジナルエックスのボディは破壊されたのだ。
無論、ハルピュイアは侵入してきたエルピスを迎え撃ったが、ベビーエルフとダークエルフの半身の力を得たエルピスの前に倒れ、結局オリジナルエックスを守る事が出来なかった。
その後、エルピスを倒したルインから渡されたオリジナルエックスのパーツを見た時の己への無力感は絶対に忘れない。
「目の前でエックスが破壊されちゃった…。私のせいで…私の…力が足りなかったから…ごめんね……」
「いや、あなたは何も悪くない。俺が不甲斐ないせいで…せめてあの時、あの男を処分していればエックス様は…」
うなだれるハルピュイアの頬にルインは優しく手で触れる。
まるで傷ついた子供を親があやすように。
ルインとハルピュイアの同じ翡翠色の瞳が交わる。
「ハルピュイアがエックスのために一生懸命頑張ってたことは、私も何となくだけど分かるよ。それはきっとエックスも分かってると思う。君を助けた一番の理由は、君に死んで欲しくなかったの。君には私とエックスのDNAデータが刻まれてるから…。そのせいか、他のレプリロイドに抱く感情とは全く違うんだよね…。この気持ちが何なのかはハッキリとは分からないけれど…。」
「ルイン…」
ルインは自身のDNAデータの半分を持つハルピュイアや他の四天王達に対して、エックスとは別の感情を抱いている。
それは恐らくは、四天王達が自身のDNAデータを分けた子供だからか…。
「ハルピュイア、君はまだ死んじゃ駄目。沢山の人達が君のことを必要としている。だから生きないと駄目だよ…私達とは一緒に行けなくても、君は君の道を進みながら、バイルとオメガから戦えない沢山の人達を守るの」
「守る…俺に…そのようなことが…出来るでしょうか…?」
長年仕えていたコピーエックスから拒絶され、四天王の座から降ろされただけでなく、ネオ・アルカディアの正義が崩壊していく様を見せつけられ、人間を守れず、オメガには一矢報いることすら出来ずに敗北した。
立て続けに色んなことが起こり、自分を支えてくれていたものを全て失ったことで自信
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