はて迷外伝 最強の剣と最強の盾5th
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軽そうに持ち上げている上にあの重装備も抱える恐るべき体力だ。前のファミリアが筋肉至上主義だったせいか、なんとなく苦手意識を抱かずにはいられない。
「では、地上へ直行!」
「帰りは俺も狩らせてもらうぜ?」
だらだらとしている暇はない。彼らの思惑とは別に、リベルとて早く強くならねばいけない理由があるのだ。【ナタク・ファミリア】――人生最低で最悪の隣人たちが動き出す前に。
――小人には小人にお似合いの仕事があるだろ?
――女に可愛がられる以外は何の取り柄もない無能種族だもんな。
――足が速いからなんだよ。敵を倒せねーんじゃ意味ないだろ。
――ほら、いくら足が早かろうが捕まってしまえば脆いものよ。
――だが、俺達はお前を見捨てたりしない。
――ずっと守り続けてやるよ。
――だって。
『お前みたいな役立たずの冒険者をわざわざファミリアにするような慈悲深〜いヤツなんて、我等が主神様と儂らぐらいしかおらんからのぁ?ガハハハハハハハッ!!』
『ナタク様のお気に入りでおこぼれ入団してるからって、これ以上生意気な口聞くんなら足くらいは折れちまうかもなぁ?おーい、聞いてんのかぁリベルくーん?』
『惨めだねぇ、辛いねぇ、小人族に生まれたばっかりにこんな目に遭っちゃって………ま、やめてやんないけどね!!アッハハハハハハハ!!』
『おい、こいつ生意気にも睨んでやがるぞ?まだ自分の立場が分かってねぇみたいだな』
『顔はやめろよ。ナタク様がにお小言を貰うからな』
にたにた、にたにた。醜悪な笑みと耳を塞ぎたくなる嘲笑に囲われて、いつも最後に「あいつ」が出てくる。
『逃げようとか考えない方がいいよ?逃げ出した後の行先を全部綺麗に潰して連れ帰るだけだからね。ず〜っと友達でいようよ、小人クン?』
耳にこびり付く青年の不快な声を振り払うように、リベルはナイフを抜いて二人の前へ足早に出た。
(上等だクソ野郎共……お前らが俺の行方を掴むより前に、お前らを潰せるだけ強くなってやるよ)
大丈夫だ、風向きはこちらにある。あの時、確かに『リベルの運命』はアーサー達を選んだ。このファミリアこそが自分を縛る邪魔な運命に風穴を開ける。ならばリベルは来たるべきその時に備え、牙を研ぐだけだ。
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