第2話「なめらかなポリゴンは人の心もなめらかにする」
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い知れ。あと兄者、ドット絵で育った奴らの産物がポリゴンだという事を忘れるな」
「お前らそれただのゲーム談義じゃねぇか!いつまでかましてる気だァ!しかも無駄に文章長ッ!」
新八のツッコミが割りこんで、永遠と続く討論はやっと止まった。
まだまだ何か言いたげな銀時だが、双葉はたまに近づいて早々に話を次へ進める。
「こんなくだらんことをしても埒があかん。源外の処へ行くぞ、カラクリ」
「了解しました」
たまを連れて『スナックお登勢』から出て行く双葉は、ふと後ろで足踏みをし続けるたまをチラっと見た。
円らな瞳。デジタルちっくにカクカクした動き。
――……ドット絵の方が可愛い。
散々批判しておきながら、愛嬌満ちたドット絵のたまに双葉の胸はトキめくのであった。
* * *
夕方 『からくり堂』にて。
「風邪?」
怪訝そうに双葉が呟いた。
同様に新八も頭に疑問符を浮かべながら、機械には不似合いな単語を聞き返す。
「機械が風邪ひくってどういうことですか!?」
「正確に言えば電脳ウィルスに感染しとる」
いつになく険しい表情で源外は答えた。
突然身体がドット絵化したたまの異常を機械技師である源外に診てもらったのだが、事態は銀時達が思っているより深刻だった。
電脳ウィルス―『獏』。
電脳空間のデータやプログラムを破壊する不正プログラムの一種で、たまのドット絵化の原因がこれである。普通なら市販のウィルスバスターを使って駆除すれば治るのだが、たまが感染したウィルスは一筋縄ではいかないものだった。
『獏』は自らが駆除されない為に宿主である機械システムの情報を取り込んで、自身のプログラムを書き換え強化成長する最新型ウィルスだったのである。
それは寄生したシステムが高度であればある程その能力を高める特性を持つ。超科学技術で造られたたまに長く潜伏したことで、どんなワクチンもウィルスバスターでも駆除できない最強最悪のウィルスになっている――と源外は説明する。
「大方、ネットに接続して情報を取り込んだ時に感染しちまったんだろう」
「………」
「『獏』は馬鹿デカい情報に紛れて寄生するっていうからな」
「……このまま放っておいたらどうなる」
いつにも増して真剣な口調で双葉が問う。
その答えはさらに最悪を告げるものだった。
「中身を喰いつくされれば空っぽの抜け殻。たまは魂の抜けた、ただの人形になっちまうだろうよ」
源外が推測する最悪な事態に、銀時たちは一瞬言葉を失った。
「………」
「そんな…たまさんが……」
「じーさん、たま治るヨネ?元に戻るヨネ?」
「なんとかならねぇのかよ、ジジィ」
真剣な面立ちで銀時は解決策を江戸一番の機械技
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