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【銀桜】9.たまクエ篇
第2話「なめらかなポリゴンは人の心もなめらかにする」
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グダグダ話すのは、今に始まったことではない。
 しかし店内の新八たちは驚愕していた。
 口を開いても一言か二言か、長くても一行程度しか話さない双葉がマシンガンのように喋りまくっている。
 それは初めて目の当たりにする姿だ。
 しかし銀時がいつもの調子でいるところをみると、昔からこんな面もあった女性だったのかもしれない。
 無駄に意地を張り合うところはやはり銀時の妹……と思うものの、何だか目の前の光景が信じられない。双葉の急な変わり具合に口をぽかんとするしかない。
 そんな呆然とする新八たちを置いて、二人のゲーム論はまだまだ続く。

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「わかりやすくていいじゃねーか。魔王まで裏の裏事情あったら複雑過ぎてこっちの身がもたねーよ。なんか攻撃ボタンとか押しにくくなるし。そんな同情いらねーんだよ!!勇者は黙って世界救ってりゃいいんだ」
「自分の意見も述べず周りに言われるがまま従うだけの勇者など、ただの操り人形だ。そんな中身のない奴がなぜ世界を救うために動けるか理解できん。共感も持てぬ間にエンドロールを迎えたって何の感動もわきやしない」
「そうやって何でもかんでも理由付けしたがってるけどな、魔王が裏の裏事情抱えてよーがバトルになりゃお前ら問答無用で攻撃すんだろ。そーゆうプレイしてっから冷てェ野郎に育っちまうんだ。ダラダラ流れるムービーに踊らされてる事に気づけよ。俺らは映画が見たいのか?ドラマを楽しみたいのか?……違うだろ。ゲームがしたいんだろうがァ!!」
 ビシリと双葉を指差して銀時は叫んだ。
「いいか!ゲームはやらされるモンじゃねぇやるモンなんだ。イベントもそうだが、召喚獣呼び出したり必殺技出すのにもったいぶったCGなんていらねェ!!もう長過ぎて飽き飽きすんだよ。攻撃すんのになんであんな時間掛けなきゃいけねーんだ。俺は敵を倒したいだけなのにィィィ!」
「圧倒的に迫力のある派手な演出が加わるからこそ爽快感が増す。ドット絵はピカピカ光るだけで何が起きたのかさっぱりわからん。イライラする。面白味もない」
「そこは無限の想像力を働かせて楽しめポリゴン世代!単純な線だけで描かれたダンジョンでもワクワクして探索できるぞ。グラフィックはドット!イベントは文字(テキスト)のみで進行!!それで十分だろ」
「黙れドット絵世代!ゲームはプレイするだけなど最早時代遅れだ。裏の裏がないRPGはただボタンを押すだけの幼稚なゲームと同等だ。攻撃に派手なアクション演出、なめらかなポリゴン、美麗なムービー、そして複雑な物語があるからこそ、プレイするだけでなく『見るモノ』としても楽しめ、ゲームをよりやりこめる。一石三鳥ではないか。そんなにボタンが押したいならテトリスでもやっていろ。そして薄ぺっらいゲームしかやってないから己の思考は狭いのだと思
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