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【銀桜】9.たまクエ篇
第2話「なめらかなポリゴンは人の心もなめらかにする」
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 あたふたと混乱する新八は銀時に振り向いた。たまに何が起きたのか機械(からくり)技師なら原因がわかるだろう、と。
「銀さん、今すぐ源外さんの所へ行きましょうよ!」
「……別にいいんじゃねこのままでも。前とたいして変わらねーだろ」
ドット絵化したたまを眺めながら、銀時はあっさり言った。
「変わるだろォォ!見て下さいよ右足と左足交互に振り下ろす2パターンしか絵柄ないんですよ!」
 新八が指差すたまは、黙っていてもその場で足踏みをしてしまっている。というよりドット絵化してる時点で異常だが、銀時は特に気にする素振りも見せない。
「元々これくらいなのが丁度いいんだよ。そもそもお前ら若い世代はやれCGだ、やれ3Dモデリングだとリアルポリゴンにこだわりすぎだ」
「いや何言ってんですか」
「んなモンなくたって、ドット絵でも十分ゲームは楽しめっぞ」
「ちょっと待て!いつからゲームの話にすり替わった!?」
「どう表現しようが同じなんだからさ。わざわざデコボコ角ばったポリゴンで遊ぶこたァねーよ」
「それは違うぞ、兄者」
 ズレた話に双葉が口を挟んだ。それに便乗して新八は話を戻そうと後に続いた。
「そうですよ銀さん。今はゲームの話してる場合じゃ……」
「精密化されたポリゴンはよりリアルな実写の如きCGへ変貌する」
「え?双葉さん何言って……」
「幻想でしかなかった世界を本物にし、プレイヤーを新たな境地へ赴かせる。街を、空を、大地を、そして人を、ゲームであれだけリアルに再現したムービーは驚嘆に値する。美麗なグラフィックで構築された世界はプレイヤーの冒険心とゲームのドラマ性をかき立てるものだ。ショボすぎるドット絵ではやる気が出ない。萎える。どう想像しようと、ドット絵は所詮落書きだ」
「おい、ドット絵なめんじゃねぇぞ。そりゃ最初はパッケージのカッケェ絵と電源入れた時の勇者のチビさにガッカリしたよ。でもそれでいいんだよ、冒険してる勇者は自分なんだから外見なんざハッキリしてねェ方がァ。なのに自分(てめー)と全然違うキャラデザ見せつけられちゃ嫌気がさすね。おまけにやたら根暗なキャラ設定とかあっちゃたまったもんじゃねぇ。『生まれた意味が知りたい』とか『これが俺の物語だ』とか、主人公プレイヤーの分身のくせして別人になりすぎなんだよ!」
「馬鹿か兄者は。ゲームはゲームの登場人物によってストーリーが進行するのであって、プレイヤーは彼らの旅路をコントローラーで誘導するだけの傍観者にしかすぎない。しかし奥床しい設定が付いたキャラ達が織り成すドラマは深く考えさせられるものばかり。互いに譲れない信念を抱いた者たちの駆け引きは実に面白い。勧善懲悪の薄っぺらい物語など偽善だらけでムカつくだけだ」
 近年のRPGについてマニアックに語り合う銀時と双葉。
 銀時が長ったらしく
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