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ホウセンカのキオク
〜トアル事件〜
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あの大量のカセットテープとビデオテープ。
とりあえずあれをなんとか駆逐しなければ。

「はい、今日はお疲れ様でした。」
全員息を切らしながらも謎の達成感に浸っていた。
カセットテープを全て廃棄し、ビデオテープも全て廃棄。
そしてテーブルを移動させて床に置きっぱなしだった機材をテーブルの上に移動。
プリント類もほとんど片付け、最後は掃除機によるハウスダストの駆逐。
ここまでの大掃除となるとなかなかに疲れるものだ。
それにしても最初に比べれば広くなった。
ものが整理されただけでもこんなに違うものか。
自分の部屋も掃除してみようかな。
そんなことを不意に思うが家に帰った瞬間にそのやる気は失せていることだろう。
そんなことは目に見えている。
「じゃあ今日の活動はこれで終わり。次回からは普通の活動するからね。」


「ただいまー。」
「おかえりー。」
家に帰るといかにもカレーという匂いが漂っていた。
6時に終わった部活だが帰宅に30分を要するので、結局6時半に家に着く。
テレビをつけると平日の夕方にいつもやっているニュース番組が放送されていた。
全国的に有名なコメンテーターが自慢げに自論を語っている。
「さてと明日の授業はと……。」
明日の学校の準備をしようとした時だった。
「あの事件から5年。小学生3人一斉自殺の真相は……」
「………………。」
「20××年4がプツンッ……」
「ちょっと!なんで消すの!?」
テレビを消したと同時に母親が反応するが無視する。
未だに謎の事件とするのだから気分が悪くてたまらない。
5年前。僕が小学校5年生だった時だ。
僕と同い年の子供が3人。一斉に自殺した。
だが彼らは離れた場所にいた。
1人は北海道札幌市。
1人は香川県高松市。
1人は鹿児島県鹿児島市。
流石に北海道と鹿児島では離れすぎている。
そしてもう一つの謎は動機だ。
なぜその歳で自殺しようとしたのか。
実際1人は失敗して東京の病院で遅れて息を引き取った。
彼らの身に何があったのだろうか。
ということを永遠と考えるのが僕の性格だ。
僕には関係ない。
そう心の中で唱えて再び学校の用意をしていた時だ。

「嘘つき。」
心の中に何かが語りかけてきた。
「あなたなんか大嫌い。」
その声はひどく冷たく、鋭かった。
「やめろ……やめろ……。」
その言葉に効果などなかった。
自分の意思とは反対にその声はどんどん大きくなっていく。
「嫌い……嫌い……憎い……嫌い……憎い……」
嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い嫌い憎い嫌い憎い嫌い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い
「……ハァッ……ハァ……。」
気がつくと声は止んでいた。
大量の冷や汗
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