ビギンズナイト
[4/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で立てないでしょうから、代わりに私達が移動させます。ナースが戻ってきたらすぐに動かしますので、もうしばらくお待ちを」
なぜ自分が狙われているのか理由はわからないが、主治医たちが自分を生かそうと努力している事は理解したなのは。しかしその直後、突然病院内に轟音が響き渡り、地面が揺れる。
「え、な……!?」
「お、落ち着いて下さい。大丈夫、落ち着いて」
意外と冷静になのはを落ち着かせようとする主治医を見て、なのはも何とか冷静さを取り戻す。主治医は本当なら時間をかけて徐々に伝えるつもりだったが、こんな状況なのでそれは断念し、知っておくべき事をなのはに伝えてきた。
「かつてあなたの愛機であったレイジングハートはヘリ墜落時の衝撃で大破し、本局の技術者が修理はしたものの、原因不明のエラーで再起動しないそうです。もしかしたらAIに何らかのシステムトラブルがあるのかもしれません」
「レイジングハートが……」
「それと、あなたの友人達が頼りにしていた帝政特設外務省ですが、実は1ヶ月前、突如その部署の人間全員が行方不明になりました。それはまるで、存在自体が幻であったかのように消え去ったのです」
「行方不明って、そんな……!」
「また、最近は次元世界の各地で謎の襲撃と変死事件が多発するようになっているので……と、すみません。ナースが来たので一旦話を切ります」
さっき送り出したナースが戻ってきたので、主治医は彼女から首尾を聞こうと駆け寄っていく。「どうだった?」と尋ねる主治医に、ナースはゆっくりと近付き……、
「ウガァァァ!!」
いきなり噛みついた。主治医は噛まれた部分から血が滝のように噴き出し、床のタイルを赤く染めていく。
「ぐぁあああああ!!! 馬鹿な…………アンデッド……化……している……!」
「しゅ、主治医さん……!」
「逃げ……て……私、も……アンデッドに……なる前、に早、く……!!」
必死に足掻いてる主治医がグールに噛みつかれている内に、なのはは今出せる渾身の力を振り絞ってベッドから降りようとする。しかし上体を起こす所までは出来るのだが、下半身は感覚はあるのに全然動きそうになかった。
そんな時、先程までナースであったグールは主治医の吸血を終わらせてしまい、彼の亡骸を横に放り出す。そしてなのはに逃げろと言った主治医もまた、ゆっくりと起き上がってアンデッド化、グールへと変貌してしまう。
自分を救おうとした二人が逆にアンデッドとなって自分を殺そうと、ひたひた足音を立てて近づいてくる。そんな恐怖の光景を目の当たりにしたなのはは、必死に手で体を後ろに引っ張り、縁の何も無い所に手を突いてしまった事でベッドの下へ転げ落ちてしまう。しかしそれ以上はまともに身動きを取
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ