最終話「天女の雫」※修正
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ルフが問う。
「ああ、弥生のエネルギー波をもろに喰らっているが、命に別条はない。しばらくすれば元気になるだろう?」
「そう……それを聞いて安心したわ?」
「!?」
そのとき、彼らの背後から一人の女性が歩み寄ってきた。見る限り白人の女性である。
「……ナターシャ・ファイルスか?」
険しい表情でヴォルフは問う。
「ええ……そうよ?」
「生きていたのか……」
「機体を捨ててどうにか……ね?」
「……まずは、礼を言わせてくれないかしら?」
「……?」
「あの子の止めてくれたことに……」
「礼なら、あの三人の坊主たちに言いな?」
「そう……じゃあ、伝えておいてもらえるかしら? これから迎えが来るの」
「そうかい……今度、あったときは戦場だな?」
蒼真は彼女に背を向けた。
「ねぇ? 貴方達は、本当に何者……」
「それは企業秘密ってやつだ……」
と、蒼真は答えた。
「そう……貴方達には興味深いことが多いけど……そろそろ、行くわね?」
ナターシャはそのまま彼らに背を向けて見方が待つ岩場へと向かって行った。
「……さて、僕たちも帰るとするか?
背伸びをするラルフに、ヴォルフは悪戯にこう囁く。
「いいのか? 義妹に顔を見せなくて?」
「ぎ、義妹じゃねぇよ!?」
ラルフは顔を赤くして否定した。しかし、その心のどこかにはシャルロットを思う感情が少なからず芽生えていた。
「そう言うお前も、弟子が恋しがってるぞ?」
蒼真がニヤニヤしながらヴォルフを宥めると、彼もラルフと同じように顔を赤くする。
「あ、あのような奴は弟子ではない!」
「恥ずかしがり屋さん……」
と、ラルフが耳打ちする。
「何を? ラルフ……!」
「まぁまぁ? 海水浴のとき、あの嬢ちゃん達、結構寂しがってたからさ? せめて顔ぐらいは出してやったらどうだ?」
蒼真に言われて、二人は照れながらも旅館の方へ向かった。
「さて……俺は俺でけじめをつけますか?」
一人残った蒼真は千冬のいる崖の方へと向かった。
「蒼真、私も行こう……」
「神無?」
しかし、そんな彼の後ろから神無が現れた。
「私も、見届けたいのだ……」
「……ついてきな?」
二人はそのまま月がかかる崖のほうへと向かって行く。
そこには、なにやら二人の先客の姿が見えた。千冬と、その先には……
――束……
そう、篠ノ之束が居た。二人の女はそのまま月夜を見ながら話し合っている。そんなところへ蒼真は歩み寄った。
「因縁のお揃いだな……?」
と、蒼真が出てきた。
「蒼真……?」
千冬が彼の方へ振り向いた。
「出たな……ゴミ虫」
嫌な目をする束だが、そんな蒼真の後ろには神無の姿も見受けられた。
「へぇ〜? 神ちゃんも来たんだ〜? 束さんを殺しにぃ?」
「……!」
キリッと神
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