最終話「天女の雫」※修正
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。
そして、自然と彼女の唇にそっと俺の口元を開けようとする……が!
「みーちゃった♪ みーちゃった♪ 弥生ちんの水着ショット!」
すると、岩場から太智が一眼レフを抱えて飛び出してきた。
「だ、太智!?」
俺は仰天する。
「はっはっは〜! 今度こそ……今度こそ! 弥生のビキニショットをこの手に〜!!」
だが、太智はシャッターを押そうとしたが、弥生が咄嗟に放った御札がレンズを覆い、暗闇になった。
「あ、こら! こいつ……」
太智がガムテ―プのように引っ付いた御札をレンズから外そうとするが、その隙に弥生は超高速ですぐさま巫女装束に着替えた。
「ノオォ〜!! 撮り逃しちまった〜!?」
シャッターチャンスが消えて太智が嘆いた。
「こらこら? 太智、もうその辺にしてやれよ?」
呆れて清二も駆けつける。
「弥生め……」
すると、太智は彼女の足元に指をさした。
「あ、弥生! 足元にフナ虫がウジャウジャしてる!?」
「え? きゃっ!」
弥生は太智の嘘に驚いてとっさに俺へ飛びかかり、俺も反射的に彼女を抱き上げてしまった。
お姫様だっこである。
「「あ……」」
俺たちはとっさに真っ赤になって気まずくなった。
「ヒュー! お二人とも、お熱いね〜?」
と、ここでまさかのラルフが現れた。
「ら、ラルフ!?」
俺はラルフにも驚いた。
「ほぉ〜? カップル成立か?」
さらにヴォルフまでもが……
「どうして二人が!?」
「任務の帰りだ。それよりも、仲がいいな? 二人とも」
「そ、それは……」
そんなとき、さらに二人少女の声が後ろから聞こえてくる。
「あ! ラルフー!!」
「しゃ、シャルロット!?」
ラルフは後ろから抱き付いてくるシャルロットに仰天する。
「んもう! 勝手に居なくならないでよ!?」
「は、離せ! 気持ちわりぃ!!」
そう嫌いな彼女を必死で振りほどこうとするラルフ。
「マスター!!」
と、今度はラウラがヴォルフにラリアットのごとく抱き付いてきた。
「ぐぅ……コラ! ラウラ!?」
「あはは……嵐だね?」
と、苦笑いする清二。
「ケッ! やってられねぇぜ!」
モテない男二人はさっさとこの場を後にした。
「ふ、二人とも!?」
この状況をどうにかしてくれと俺は思う。
「ろ、狼君……?」
「え?」
「しばらく……このままが、いいです」
「……」
……でも、それでも弥生がずっと俺から離れないでいるのはきっと……
「弥生! しっかり掴まってろ?」
「え……きゃっ!」
俺は、弥生を抱き上げたまま旅館へ向かって走りだした。
――しかしここまでは、俺が経験したほんの序章に過ぎない。本当の戦いと冒険はここから始まろうとしていた。それは、長く苦しくも、しかし悔いのない悲運の話だ……
これか
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