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RSリベリオン・セイヴァ―
最終話「天女の雫」※修正
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ら歩き続けた。
「俺は……」
しかし、歩くたびに俺はなぜこのような場所に立っているのかを思いだした。
「……俺は、舞香に刺されて?」
そう、妹に殺されてこんなところへ来てしまったということだ。だとしたら、ここは天国? いや、出来るの悪い人間がいくところなんて地獄しか言い様がないかな?
――けど……俺はっ!
けど俺は、こんなところで死ぬことはできない。何よりも、弥生や皆が俺の帰りを待っているんだ! こんなところで死んでたまるか!!
「くぅ……出ろ、零!」
だが……零は言うことを聞いてくれない。いや、というよりも零が体内に宿っていないのだ。
「こ、これは……?」
RSの解約は不可能……そうか、やっぱり俺は死んでしまったから、もうRSがあろうがなかろうが意味のないことなのか?
「くそっ……本当に俺は死ねないんだ! いや……生き返せなんて言わない! もう少しだけ……せめて、あと少しだけでもいいから生かせてくれ!!」
膝をつき、誰に言うでもなく俺は叫んだ。
「頼む……出てくれ? 零……」
両手を水面につけ必死で零に頼む。しかし、零のない体へいくら伝えても意味がない。
「ちくしょう……頼む! 零……」
『我が力を望むか……?』
そのとき、俺の耳元から雄々しい男の声が響いてきた。
「だ、誰だ!?」
『問おう……其方は何のためにその力を望む?』
「誰なんだ……?」
『今は、我が問いに答えよ? それで良い……』
今更その声が、閻魔の声だろうが今の俺には関係ない。俺は、本当に自分が力を望む意味をその声に向かって答えた。
「守るためだ……」
『守る……何のために?』
「え……?」
『誰が為、その力を使う?』
「……大切な人の為に、その人の為に俺は戦うんだ!」
『死ぬとわかっていても尚、求めるか?』
「俺の意思は変わらない。ただ、純粋にその人のことが好きだから……好きになっちまったからには彼女を守りたいんだ!」
『その思いが儚く忘れ去られても、愛しき者のために戦い続けるというのか?』
「その娘の笑顔が守られるなら……俺は、戦う! この体がどうなろうと構わない!」
『……』
その声はしばし沈黙を続けた。まるで、唸りながら俺を試しているかのように……
だが、その沈黙もいずれ止み、また新たにこう言い放った。
『……では、その命を試してしんぜよう!』
すると、俺は背後の気配に振り向いた。そこには、ある人物が俺の目の前に現れる。
――弥生!?
そう、そこには巫女装束に身を包む弥生の姿があった。しかし、彼女が俺を見つめている瞳は、いつものような心優しい眼差しではなかった。
「弥生……?」
「……」
だが、弥生は何も答えぬまま腰にさした赤い鞘から真剣を引き抜くとその先を俺に向けだしたのだ。
「ど、どうしたんだ? 
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