第二十一話「覚醒」
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うして九条さんが!?」
俺たちは当然驚くが、それ以上に驚いたの舞香だった。
「聞いたわよ……アンタたち、A級の特命任務についているんですって?」
「どうしてそれを!?」
俺が問う。
「それはコッチの台詞よ!? 何で、アンタみたいなのがそんな重大任務についてんのよ!?」
「そんなことより、早く戻るんだ!? 今回のことは忘れろ? もしこのことがバレたらお前は重罪だぞ!?」
俺はとりあえず舞香を叱り、戻るよう言うが、それでもやはり俺を常日頃から見下している彼女は、こんな俺の言うことを聞くような娘じゃない。
「重罪にならないようにしてやるわ……」
と、彼女は打鉄で福音が向かってくる方向へ一直線に突き進んでいく。
「馬鹿野郎!! よせ!?」
だが、そんな俺の怒号が、後に彼女を刺激させてしまうのだ。舞香は、途端に逃げるはずの方向とは違う逆方向へ向かって飛んで行く、そこは白いISが一夏達と格闘する空域であった。
「何やってんだ!? 早くここから逃げるんだ!!」
「うるさい! アンタなんかよりも、アタシが一番上手く操縦できるってことを見せてやるんだから!!」
変な見栄を張り。彼女は一般的なIS打鉄で福音の元へ向かった。
――下らねぇ見え張りやがって!
そんな彼女の後を追いかける俺は、彼女が福音へスナイパーライフルを向けるところまで追いつく。
「やめろ! 下手に攻撃するな!?」
「……!」
しかし、舞香は敵に照準を定め、こちらへ突っ込む福音に対し引金を引いた。
「……!?」
それを察知した福音は、射撃は明確であるが攻めの甘い弾幕をかわすと、再び銀の鐘による弾幕をふらせた。
「危ない!」
俺は、舞香の前に出て、降り注ぐ弾幕の雨を両手の零で弾き返す。だが、激しすぎる弾幕ゆえに零の刃をすり抜けて、数発が俺の足や方を掠めていく。
「くそ……!」
それでも、俺はどうにか後ろの舞香の楯になることができた。だが、弾幕が止むと共に俺の胸に何かの激痛が走った。
「ぐぅ……!?」
口の端から血が流れている。俺は、ゆっくりと胸板を見下ろした。そこには、打鉄のブレードの先が俺の胸を貫いている。
――嘘だろ……?
俺は、ゆっくりと背後を振り向いた……
「……何で、何でアンタなんかが!?」
舞香が、俺の胸を突き刺しているブレードを震えながら握っていたのだった。
「舞……香?」
「アンタなんか……アンタなんか……!」
――何で……どうして……?
俺の意識は徐々に遠のいていき、そして零の力が徐々に弱まって行った……
「狼……君?」
そして、そんな俺の後から来た弥生は、この一部始終を見てしまった。
俺は、そのまま海へ真っ逆さまに落ちていった……
「い、いや……!」
俺が落ちるのを見て、弥生は叫んだ。
「いや……いやあぁー!!」
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