第二十一話「覚醒」
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んだ。
「……俺は、お前が大切な仲間だから身を張って護っただけだ。だから、お前には何の責任はねぇよ?」
「一夏……」
そんな言葉に、箒は目頭を熱くさせる。
「あの時、お前を誘わずに比奈と遊びに行ってゴメンな? 今度……一緒に行こうな? あ、勿論比奈も一緒だ。今度からは喧嘩せず仲良くしろ?」
「うむ……一夏!」
うれし泣きはこの作戦が終わった後だと、箒はグッとこらえた。
「よし! これで役者は揃ったぜ? と、いうことで……福音退治の第二ラウンドの始まりだ!!」
と、太智は叫ぶと、隣にいるラウラへ問う。
「……で、ラウラ? 肝心の目標の居場所は?」
「ああ、衛星の地上映像で奴の姿を肉眼で発見した。位置は……」
ラウラは、ISの片腕を展開してホログラムマップを映した。ここからそう遠くない沖合の上空に居るようだ。
「さすがはドイツの尖鋭部隊隊長だな?」
清二は、そんなラウラの能力に驚く。
「今度こそ、チャンスは一回限りだ……狼、よろしく頼むぜ?」
太智が俺にサムズアップを送る。俺も当然それに答える。
「ああ! 任せてくれ?」
「皆! 今から作戦を説明する。聞いてくれ?」
太智は全員に今から行う作戦の説明に入る。
直接、俺たちRSの装着者らと箒の赤椿、そして弥生が俺の援護を行うため、共に福音へ一気に接近する。
もし、その直後に奴が銀の鐘を仕掛けてくるときのためにラウラとセシリアを遠くへ配置させて遠距離射撃を行い動きを止める。さらにその中間地点からはシャルロットと凰を配置して、シャルロットによる中距離からの射撃と、彼女を護衛に凰がついてシャルロットへの接近を阻止する。
こういった流れで、俺たちは作戦に以降した。今度こそ、勝つために……
俺達が、上空へ飛び立って数分後、徐々に目標の潜む夕暮れ時の空へ近づいていた。
あのとき、太智の勢いに押されて堂々と答えてしまったが、今思うとやはり不安で緊張してしまう。
「……」
「狼君……落ち着いて行動しましょ?」
隣には弥生が巫女装束で共に飛行している。俺は、彼女の身に危険が迫らないよう常に周囲を警戒した。
――緊張はするけど……やるしかない! 俺は、何としてもやり遂げて見せる!
それ以外、道はない。残された希望は俺だけだ。そう思うと、プレッシャーから応援に変わる。
「狼! 目標が見えてきたぞ!?」
清二が叫ぶ。前方には巨大な球体の枠に包まれてエネルギーを温存している福音の姿が肉眼で捉えられた。
「あれだな!?」
「よっしゃあ! 作戦開始だ!!」
しかし、俺たちの気配に気付いた福音は、フッと俺たちの方へ振り向くと枠を消してすぐさま迎撃態勢に入る。
「あの様子だと、銀の鐘はすぐに出せないようだ! 今の隙に動きを止めて追い込むぞ!?」
俺と弥生を最後尾に他は一気に福
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