第二十一話「覚醒」
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身のある顔だった。
「その様子だと、福音の位置がわからないと見えるな?」
「何か用か?」
太智が怪訝な目つきで彼女に言う。
「なに、我々専用機持ちも、一夏の敵討ちに出向こうとコッソリ作戦を練っていたところだ。福音の居場所は見つけたが、どうも攻略の方は難問でな?」
「じゃ、じゃあ……」
清二は笑みを浮かべた。
「ああ……お前たちに協力させてくれ? だが、目標の位置を教える代わりに我々も共同で任務に参加させてもらう」
「……」
しかし、太智は戸惑った。いくら協力するとはいえラウラは過去に弥生にあのようなことをした張本人だ。
「……まて、こいつを信用できるのか?」
と、太智の一言で周囲の表情は暗く変わった。
「その女は、弥生の首に爆弾をくっつけた奴だ。そんな奴を信用していいのかよ? 皆」
「あ……」
さすがの清二も表情を暗くする。
「……もしかしたら、俺たちを知らない場所へ誘き出して、他の専用機持ちと一緒に俺たちを袋叩きにするんじゃねぇのか?」
太智は益々ラウラを疑い始めた。
「違う! 頼む……信じてくれ?」
しかし、ラウラは必死で俺たちに協力を要請してくる。俺は、二人のように腕を組みながら唸った。
「確かに……天弓侍に小型爆弾を付けたのは事実だ。命令とはいえ、行ったのは私自身だ……しかし、今は一夏のためにも何かしなくてはならない! お前たちも、その考えは同じのはずだ!」
「ああ、同じだ? だがな……俺たちの仲間を殺そうとした奴を、そう易々と信用することはできねぇな?」
太智は強情に言い切る。
「……頼む、この通りだ!」
すると、ラウラは深く頭を下げてきた。彼女にしては必死なのであろう。それでも、太智の険しい表情は変わらない。
しかし、俺はこう言う。
「……その情報は、本当なんだな?」
「……?」
俺の声に、涙を浮かべたラウラは顔を上げる。
「銀の福音の居場所を、知っているんだよな?」
「……ああ、本当だ」
そんな彼女に、俺は立ち上がった。
「……わかった。とりあえず、信じよう?」
「ろ、狼!?」
すると、俺の次に太智が立ち上がった。
「こいつを信じろってのか!? お前を酷い目に会わせた上に弥生に爆弾を取り付けた女何だぞ!?」
「……確かに、その事実は消えることはない。だが、今は協力してくれる力が欲しいよ? この戦いに勝つには、仲間と呼べる人たちを信じないとダメだ!」
「仲間、ねぇ……?」
太智は頭をボリボリ書くと、ラウラに口を向けた。
「ラウラ、一時休戦だ。その他の専用機持ちを連れてこい!」
「あ、ありがとう……! 貴君らの協力に感謝する!!」
再び俺たちに深いお辞儀をすると、彼女は他の専用機持ちを連れ来るために戻っていた。
*
「……」
夕日にたそがれながら、箒は結んだ髪を解
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