第二十一話「覚醒」
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になるぞ? やはり……狼の「絶対神速」を使用しない限り勝ち目はない」
太智は、やはり俺の必殺技でなくては勝ち目はないと言い張った。確かに彼の意見には全員が同意見だ。だが、やはり……
「やはり……あの弾幕のような誘導弾が一番厄介だな?」
太智は腕組みをして唸った。
「そのレーザー弾こと、『銀の鐘』に関してですが、例の両翼の大型スラスターに36の砲口を搭載し、広域射撃を行える新型システムです……」
「やたら厄介だな? あんなので弾幕張られたら、こっちとら満足に近づけやしねぇ……」
太智が清二のように腕を組みながら唸りだした。
「……そこで、私の出番というわけです」
弥生の一言に俺たちが彼女へ視線を向けた。
「私の霊術で広域結界を張り、狼さんを銀の鐘から護ります。相手の攻撃や止んだ隙に狼さんはつかさず絶対神速を発動させてください?」
「だ、だけど……弥生ちゃん? 危険すぎるよ」
俺は彼女の作戦参加を拒んだ。
「いいえ? 参加させてください。私だけ、安全なところでサポートなんて嫌ですよ?」
「……」
しかし、やはり彼女のことが心配で俺はどうしても反対だった。だが、そこで太智が割り込んでくる。
「いいじゃねぇか、連れてってやれよ? 狼」
「け、けど、太智……」
「もし、彼女の身に危険が迫ったときには……そんときゃ、お前さんが守ってやりゃいいだけだ」
「……」
照れくさいことを言われるが、しかし彼女の力なくして福音に接触することは敵わないだろう。
ここは、やはり彼女の力を借りるしかない。
「……わかった。だが、無理はするな? 危なくなったらすぐに逃げるんだぞ?」
俺はそう弥生に言うと、彼女も真剣な目で頷いた。
「よし! そんじゃあ、作戦開始ぃ!!」
立ち上がり、ビシッと指を立てる太智だが、そんな彼に清二はこう告げた。
「ところで……福音の位置は?」
「あ……」
太智は、再び座り込んで叫んだ。
「しまった〜! そのことを忘れてたぜ!? くそ……そういや、福音ってのはステルスレーダー搭載してんんだろ? 俺たちのじゃ見つかるわきゃねぇ……」
「魁人さんに頼んでみれば?」
と太智。魁人に頼めば、福音なんて見つけるの簡単な話だが……
「いや……魁人の旦那なら、俺たちを危険な目に会わせないよう止めさせるだろ?」
太智はそう予想を言った。確かに、そうだな? あの人なら俺たちよりも腕の立つラルフやヴォルフといった筆頭を向かわせるだろう。
「くぅ……どうすればいい?」
俺たちはまた振出しに戻ってしまう。かといって、弥生がシキガミを使って辺りを捜索するにも日が暮れてしまう……
「手間取っているようだな?」
と、そんな時、部屋にある人物が訪れた。ラウラである。
「ラウラ?」
俺は彼女を見た。なにやら自
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