第二十話 二学期その十
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「何それ、非常識じゃない」
「ちょっと早いだけじゃない」
「ねえ」
けれど皆からはこう言われます。本当に言われっぱなしです。
「だから。昔はそれこそ」
「私達の歳には子供だっていたんだから」
「子供・・・・・・」
自分に置き換えて考えてしまいました。
「私が赤ちゃんを」
「ちっちのおっぱいだって大きくなるわよ」
「いいことじゃない」
「そういう問題じゃないけれど」
私は答えました。
「子供がいてもなのね」
「子供がいるから大きくなるんじゃない」
「そういうこと」
「胸が大きくかあ」
それを聞いて赤ちゃんが欲しくなったのは事実です。けれどそれもすぐに消えて。
「けれど。それはね」
「はいはい、旦那様ができてからね」
「本当に生真面目なんだから」
「子供は何人いてもいいけれど」
天理教の人は子供が何人もおられる方が多いです。佐野先輩は八人兄弟だそうです。その八人が皆美男美女らしくて。何とも羨ましいことです。
「それでも旦那様はずっと一人よ」
「ずっとなの?」
「そう、ずっと」
このこともはっきり言い切りました。
「ずっと一人よ。想い人は一人でいいじゃない」
「ロマンチストね」
「何か韓国のドラマみたい」
最近流行ってるみたいです。私は韓国の俳優さん達を見ていると少し前のジャニーズのタレントさんや特撮俳優の人達のファッションそっくりだって思いますけれど。
「それでもちっちの旦那様になれる人は幸せよね」
「そこまで想ってもらえるんだから」
「そうなるの」
「そうなるじゃない」
「ねえ」
また皆で言い合います。
「一人だけなんでしょ」
「そうよ」
それは変わりません。子供の頃からずっと思っていました。
「それはね。何があっても変えないから」
「じゃあやっぱりそうなるわ」
「旦那様になってからもずっとだから」
「私のお父さんとお母さんも仲いいから」
そういうのを見てきましたから。その影響があると思います。
「だから私も」
「親の影響は偉大ね」
「全く」
こうも言われます。
「じゃあまずはいい子見つけないとね」
「天理中学校でも覗いてみる?」
「だから。私は年下は」
趣味じゃないんですけれど。何故か皆わかってくれません。
それでも。それを皆から言われます。
「大体歳は二つ下かしら」
「ちっちが三年になった時に相手は一年ね」
「弟みたいで丁度いいわね」
「弟って」
話がいけない方向に向かっているような。姉と弟みたいな関係っていうととてもいやらしいものに思えてしまうのは私だけでしょうか。
「どうして私を置いて話を進めるのよ」
「まあまあ」
「まあまあっていうけれど」
「ちっちってお姉さんじゃない」
「それはそうだけれどね」
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