卒業式
05 再旅
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に漂っているであろうシャーロット彗星本体の位置を能力で見定め、再び「転移」によって彗星から数百メートル離れた位置まで近付く。
まず、十四年前の時点で彗星を錬金しなかったのは、十四年前に彗星が地球に近付いた事実を無くしてしまえば、時間的矛盾からこの場で有宇の能力は消え、宇宙空間に放り出される、あるいは有宇自身の存在自体が消えてしまうという可能性もあるからだ。
次に彗星から数百メートル離れた理由は、地球の表面にも存在する大気圏のように、彗星も仰々しく燃え盛っているからだ。
普段人間が地球上で生活している状態で感じるようなことはないが、地球は常に自転と公転を行っている。
超超高速回転を行うその球体が表面の空気や塵などと擦れあい、摩擦で燃えないことがありえようか。いや、ありえない。
それは数万光年を激しい速度で移動するシャーロット彗星も同じだ。
いくらバリアと冷却能力で己の体を覆っても、絶対に安全だという保証はないからだ。
第一、錬金術の能力は視界にさえ入っていれば、どんなに離れていようとも対象にその力は作用するので全く問題ない。
「これで、終わりなんだ。今から帰るからね」
彗星は巨大な黄金へと変じていく。
耳をつんざくような激しい硬化音も、全てを成し遂げた今の有宇には心地好く響く。
その様を全て見届け終えると、有宇は「転移」によってある場所へ移動した。
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