第二百四十話 果心居士その八
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「どれもです」
「効くか」
「妖術、左道の類をです」
「確実に消すものか」
「妖術破りの呪文です」
まさにそれだというのだ。
「これならばです」
「魔界衆にも勝てるか」
「間違いなく」
そうなるというのだ。
「これは大きいです」
「そうか」
「はい、では我等もです」
「この文字を書いていってじゃな」
「魔界衆の者達の妖術を破りそして」
「勝ってじゃな」
「天下に泰平をもたらしましょう」
こう氏康に言うのだった。
「是非」
「そうじゃな、魔界衆が来るまでには準備を整えてな」
氏康は微笑んでだった、叔父でもある幻庵に応えた。そうした話をしながらそのうえで北条の軍勢も旗に呪文を書いていた。
そのうえで魔界衆と戦う用意を万全に整えていた、だが。
その魔界衆達はだ、闇の中で自信に満ちた笑みで話をしていた。
「兵は幾らでも作ることが出来る」
「その通りじゃ」
「傀儡を作ってな」
「式神もな」
「兵の数は何とでもなる」
「それこそじゃ」
こう話していた、そして。
彼等はさらにだ、こんなことも言い合った。
「ではいよいよな」
「そうじゃな」
「我等の切り札を使うか」
「妖術をな」
「これまでは控えておったが」
「まさに切り札を使う時じゃ」
その妖術をというのだ。
「その妖術でじゃ」
「あの者達を討つぞ」
「勿論織田信長もな」
「あの男、日輪を今度こそ討つ」
「これまで何度もかわされたが」
彼等の策をだ、彼等は闇の中でそのことは舌打ちした。
「今度は逃さぬ」
「妖術を使う」
「これまで惑わす術を使ってきたが」
「今度は違う」
「まことの妖術だ」
「その妖術を使ってだ」
そのうえでというのだ。
「あの者達を倒し」
「この国を混沌に落とす」
「再び戦国の世に戻り」
「血をさらに流させてやる」
「最後には何もかも残さぬ」
「全て壊してやるわ」
日本にある全てをというのだ。
「我等が神武に従わぬというだけで征伐してきた」
「あの時のことは忘れぬ」
「決してな」
「我等が復讐しようとする度にだ」
「多くの兵を向けて来た」
「高僧共が来た」
「陰陽師もな」
このことを忌々しげに言うのだった。
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