卒業式
02 策士
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いうのもまた事実。いいだろう。君がまだ人である今のうちに話してやろう』
その声は一つ間を置くと、非常に愉快そうに語り始めた。
『私が彼等に出会ったのは五年ほど前だった。彼等は私をまず、科学者側のチームとして迎え入れてくれた』
まず、僕を捕らえた奴等は科学者だったという情報を抜き取る。
声続けて曰く
『しかし、研究が進み、我々大人たちが能力を発祥させるアンプルが完成した。私は自らその人体実験第一号に買って出たのだ』
次に、奴の能力は科学者による技術の進歩だということが分かった。
ここで疑問が一つ浮上したのでソイツを投げかける。
「その技術開発はどこから得たものだ」
相も変わらず淡々と声は語る。
『シャーロット彗星の破片。あの破片から得た情報を、我々は進化させることに成功した。どうだ、凄いだろう?これこそ我々が産み出した全能!ふははははははは』
再びその声はけたたましく笑う。
対して僕は…
「はは、ははははは!!!!」
『?何が可笑しい。ついに気でも狂ったか』
声は己の愚かさに気付かない。
僕に全ての情報を与えるというその愚鈍さに。
堪えていた熱いもの。
それは可笑しさだ。
「演技」の能力で気分悪そうにしていたが、そんなものは嘘八百。
実際は「正常」の能力で全てを日常と変わらぬ状態に保っていたのだ。
「ほんと、アンタ相当にバカだなぁ…ははははは!!!」
『私がバカだと?この天才科学者の私をバカだと呼ぶ貴様は何様のつもりだ!!』
荒々しく叫ぶ声に対して僕は至って冷静に答えてやる。
「アンタは全て話してくれた。ま、催眠能力で無理矢理吐かすこともできたけど、面倒なことしなくてよくなったから助かったよ。あー、それと僕はもうこの世界に用はないから潰すね」
『貴様ァ!!よくもこの私に恥をかかせてくれたな!だが、この世界は私だけの世界。私以外には解くことは出来ない。ザマァみろ!』
「はっ。君から貴様に呼び方が変わるなんて、よほど焦ってるんだろうなぁ、三下ァ。聞いて呆れるとはこのことだな。僕が何も対策していないとでも思っていたのか?」
『どど、どういうことだ』
舌が上手く回っていないその声は、おもちゃを無くして泣き出してしまいそうな幼児のように、最早威厳の欠片も存在してはいなかった。
「やれやれ。やっぱりバカには説明が必要らしい。いいさ、教えてやる。僕に何をしても無駄だってことをさぁ」
その言葉と同時に世界はひび割れて崩壊する。
『なっ、何が起こっているというのだ!?この世界では崩壊の能力は内側から使えないんだぞ!!ま、まさか…』
「ははははは。ああ、そうさ。僕が神!全知全能の唯一の存在!
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