第八幕その五
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「木樵さんに会いたくなります」
「けれど今はあの人はね」
「はい、冒険に出ておられますね」
「だから今はいないわ」
お城の中にというのです。
「オズマと一緒にギリキンに行っているわ」
「あの国に行ってですね」
「お肉を貰いに行ったわ」
「ナターシャ、それにハンクさんと一緒に」
「ええ、四人でね」
「そうでしたね」
「そういえば私はね」
ドロシーはここでも最初の冒険のことを思い出して言いました。
「今もかかしさんと臆病ライオンさんとね」
「木樵さんの四人で、ですね」
「冒険に出ることが多いわ」
「僕達が揃うとね」
臆病ライオンも言います。
「それだけで違うんだよね」
「そうよね、あの時からお友達だから」
「お互いも知っていて」
「勝手がわかってて」
「もう言葉を交えないでも」
「色々なことがわかるわ」
「全く以てそうだね」
かかしも言います、木樵のお城を見ながら。近くには自分のお家もジャックのお家も見えます。ジャックは今はいませんでしたが。
「僕達はお互いのことをよくわかるね」
「ええ、何を考えているのか」
「本当によくわかるよ」
「一緒に色々な冒険をしてきて」
「そうなったね」
「そうね、だからまたね」
ドロシーはにこにことしてかかしと臆病ライオンに言いました。
「機会があれば」
「僕達四人でね」
「冒険をしようね」
「私はオズの国で一番冒険をしてるけれど」
こうも言ったドロシーでした。
「あの時のことは本当に忘れらないから」
「ドソリーさんは冒険が好きですけれど」
ここで、です。カルロスも言いました。
「何か冒険の方からドロシーさんを招待してくれてるみたいな」
「そんな気がするのね」
「そう思いますけれどどうですか?」
「そうね、確かにね」
ドロシーも考えるお顔になってカルロスに応えました。
「私はいつもね」
「冒険に招待されていますね」
「それで冒険をしている感じがするわ」
「そうですよね、ドロシーさんご自身も」
「そんな気もするわ」
こう答えたのでした。
「何かね」
「だからドロシーさんは冒険をするんですよ」
「冒険の方から招いてくれて」
「そんな感じがするわね」
微笑んで言ったドロシーでした。
「この国に来る度にね」
「冒険にもなっていましたね」
「ええ、オズの国に定住するまでは」
「そうでしたね」
「あの時からもそうで」
そしてと言うのでした。
「今もね」
「都から出ればですね」
「冒険になっているから」
「冒険に招待されているんです」
「そうよね」
「ええ、それじゃあ今回も」
「冒険に行きましょう」
「皆でね」
こうお話してでした、皆でさらに西に進んでいきます。
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