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その手で引き金を引け!!
第十章 隠された実力
第一話 玄界への帰還
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るんです?」

「・・・?」

「私に言えないことがあるんですよね」

「・・・」

図星だ。言えないことがある。
人は言えないことを複数持つが、その一つが如月に関わることだった。

『風間さんがその情報をどうするかは好きにしてください。
俺には使えない情報だからな。
上層部に言おうが、言うまいが、本人に言おうが、言うまいが。
最後は風間さんが決めてください』

酷い話だ。自分で蹴りをつけずに人に託すとは。
厄介なことを託したものだ。

「いつか、話してくださいね。
今は別に言わなくてもいいですけど。
・・・あ、嫌なら言わなくていいですから」

「意外だな。人に言わせたがるタイプだろうに。」

「私、か弱いレディですから」

俺は如月の頭を撫でた。
甘えに慣れない如月は、不愉快な顔をする。

「菊地原を起こしておけ」

「ハイハイ。風間さん、退院祝いしてくださいね」

それは無視をして病室をあとにする。
退院祝いはまあ考えてやろう。
まずはやるべきことをやろう。
託された情報と“本当の”如月を守り抜くために。
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