6部分:第六章
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第六章
「だから絶対にです」
「全員逮捕ですね」
「何があっても」
「はい、そうです」
こう話してだった。そのうえでだ。
遂にだ。北條は自分が先頭に立ちアジトに踏み込んだ。既に全員の手には銃がある。
武装してだった。アジトに踏み込んで叫んだ。
「動くな、警察だ!」
「大人しくしろ!」
「全員逮捕する!」
奇襲が功を奏した。それによってだ。
テロリスト達の多くは反撃する暇もなく捕まえられていく。アジトの中にいたメンバーの多くが逮捕されていった。しかしだ。
逮捕された彼等の顔を見回してだ。北條は言った。
「委員長がいませんね」
「そうですね。肝心のトップがですね」
「いませんね」
「地下室がありました」
既にアジトの部屋等もだ。彼等はわかっていたのである。
それでだ。その地下室にだった。北條は向かった。
地下室はコンクリートの冷たい部屋だった。そこに入ると。
ナイフを持った初老の男がだ。彼に襲い掛かってきた。まずはその一撃をかわした。
そのうえでだ。北條は。
それを攻撃とみなしてだ。ナイフを振り被り過ぎて体勢を崩している彼をだ。
すぐに撃った。銃は彼の胸を撃ち抜いた。鮮血が飛び散りだ。相手は死んだ。
射殺は一人だけだった。しかしだ。
このことはすぐにマスコミに取り上げられた。当然弁護士達は騒ぎだし所謂プロ市民も警察に対するデモをはじめた。そうしてだ。
警察のトップがだ。北條を呼び出してつげるのだった。
「わかっていると思うがだ」
「私についてですね」
「奸先生から話が来ている」
「元総理のですか」
「幾らテロリストとはいえ」
こうした話でいつも最初に来る枕詞だ。そこから来る言葉は。
「射殺はやり過ぎだとな」
「それで私に退職をですか」
「いや、それは」
「奸先生のことは存じています」
北條はトップの前に立ちだ。素っ気無く述べた。
「それもよく」
「だから言うのか、今」
「私に圧力をかけ退職させたいのですね」
「いや、それは」
「わかっていますから」
まるで他人事の様にだ。彼は言っていく。
「ですがそれでもです」
「それでもだというのか」
「相手はテロリストです」
もっと言えば彼等のその計画も全てわかっていることだった。大量殺人を計画していたのだ。無差別なテロ行為によって。
だからだとだ。彼は言うのだ。
「過去に既に何人も殺していて」
「しかも今回もだな」
「計画をしていましたし」
「爆発物に重火器も揃えていた」
「おまけに私に襲い掛かってきました」
「完全に黒だな」
どこをどう見てもだ。しかしだった。
そのだ。奸はというのだ。元総理は。
「やり過ぎだと言ってな」
「自分の主義主張と同じ人間を殺す
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