第38話 ミサイル基地
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降りた。
「ハルピュイア…」
後ろにいるゼロとルインに一瞥もくれず、ハルピュイアは目の前のオメガを、そして無残な姿を曝している廃墟となった居住区をただ静かに見つめる。
「……………」
ハルピュイアは周囲を見るにつれ、激しい怒りが込み上げてくるのを感じた。
少し前まで、人間達が平和に暮らしていたであろう居住区だった場所がバイルとオメガの手によって滅茶苦茶にされた。
「我らネオ・アルカディアのレプリロイドは…人間を守る……。この地上の唯一の正義。これが…この廃墟が…貴様らの正義かーっ!!バイルーーーッ!!!」
ダークエルフを手に入れるという、ただそれだけのために大勢の人間達を犠牲にしたバイルへの怒りもあるが、何よりも大勢の人間達を救えなかった自分の不甲斐なさが一番許せなかった。
そのままダークエルフと融合したオメガに戦いを挑む。
しかしそれはゼロ達が知る冷静沈着なハルピュイアらしからぬ無謀極まりない行動であった。
「サンダーストライクッ!!!」
ソニックブレードを抜き放ち、それを交差させるとオメガに凄まじい威力の落雷が落ちる。
しかし、ダークエルフの力を得たオメガのボディには傷一つ付けることすら出来なかった。
まるで蝿を払うかのようにオメガが光弾を放ち、ハルピュイアに直撃させて弾き飛ばす。
「ぐあああああっ…!!」
弾き飛ばされたハルピュイアはルインの足元に叩きつけられた。
「ハルピュイア!!」
「くっ…俺は…俺は…っ!!」
何とか片膝をついて立ち上がろうとするが、ダメージを受けすぎたハルピュイアの体のあちこちがショートしている。
「くっ…!!」
ゼロはあまりの状況の悪さに顔を顰めた。
オメガはダークエルフの力を得て、より強大になった上にベビーエルフが二体もいる。
それに対してこちらはハルピュイアは戦闘不能で、自分もルインも決して浅くないダメージを負っている。
それを見ていたベビーエルフ達がはしゃぐ。
「いいぞいいぞー!!」
「やっちゃえやっつけちゃえー!!」
『ゼロ!ルイン!動かないで!今、ベースへ転送するわ!!』
「シエル、ハルピュイアもお願い!この子を…助けて!!」
『…分かったわ!!』
『転送!!』
オメガが光弾を放つ寸前でゼロ、ルイン、ハルピュイアの三人が転送の光に包まれ、レジスタンスベースに転送された。
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