暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?うそつき〜Tear of anger and sorrow〜
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ツェンの姿を視認した。
チェスナットブラウンのロング(以前はセミロングだったのに。伸びたのか?)、ブロンズレッドの柔和な瞳、赤紫のブラウスに黒のベスト、黒ネクタイ、黒のプリーツスカート。あの頃から変わらない出で立ちだ。そして手には装飾の施された2m近い大弓型神器・“天弓ハガウル”が握られている。
「お久しぶりです、神器王。良い機会だということで、わたくしもこうして御挨拶に上がりました」
――
嵐槍百花
(
クライシス・エア
)
――
ドリル状の暴風の矢を射るフィヨルツェン。耳をつんざくほどの音を立てながら暴風の矢は迫り、前面に展開している盾・リンに着弾。その風圧で押し返されそうになるも「破壊は出来まい!」俺とリンは暴風の矢を真っ向から防ぎ切った。
――
戦滅神の破槍
(
コード・ヴィズル
)
――
縦3m・幅5mほどの通路いっぱいに雷撃系砲撃・ヴィズル6本による壁を作る。フィヨルツェンにはソレを防ぐことが出来るだけの装甲はない。第一世代・ブリュンヒルデ隊の中で一番脆いのがアイツだからだ。ステアの神器と魔術の直撃を与えれば、先にダメージを与えて弱めるまでもなく勝てるはずだ。
――
貫砕せし飄風
(
ディクライン・ブラスト
)
――
砲撃の壁を貫いて大きな穴を開けたのはランスのような長矢。矢に纏わりつく複数の風の渦は、魔力結合を力尽くで掻き乱して暴発させる効果を持つ。フィヨルツェンの矢の中でも対魔力攻撃・障壁に優れた一撃だ。だが・・・
(もうお前の頭上だ!)
リンを犠牲にして魔力爆発や発生した放電、煙を隠れ蓑にして俺はフィヨルツェンの頭上へと移動し終えていた。“エヴェストルム”を連結し、さらにカートリッジをロード。そして魔力刃による直接斬撃をお見舞いしようとしたその時・・・
――フランメ・ドルヒ――
目の前が炎に満ちた。攻撃態勢に入っていたことがまずかった。炎熱系の攻撃をモロに食らった俺は「ぐぁぁぁぁ!」着弾時の爆炎と爆風で吹き飛ばされ、ごつごつとした洞窟の壁に叩き付けられてしまった。
「ぅ・・・ぐ・・・、今のは・・・!?」
頭をかなり強く打ったために視界が揺らぐし、体が意思通りに動かせない。“エヴェストルム”を杖に、空いている右手で頭に触れるとヌルっとした。見れば真っ赤な血がベッタリと付いていた。それに内臓を痛めたのか、「ごぶっ・・・!」込み上がってきた血を吐き出す。
「わたくしだけだと思い込んだのが失敗でしたね神器王」
「ふっふっふ〜♪ 僕とフィヨルツェンだけじゃなかったんだよ」
「レーゼフェア、フィー姉ちゃん! あたし、良い仕事した?♪」
フィヨルツェンの後ろ髪の中から30cmほどの少女が出て来た。紅の長髪は4つの房に結われ、紫色のツリ目、尖った耳、腰から生えた一対の羽。先の次
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